台北市北部の住宅地、士林でケーキ教室を営む何嘉嘉さん(28)は、香港で大規模民主化デモ「雨傘運動」が起きた2014年秋、台湾に移住してきた。

 「香港は死にゆく都市だ」と話す。

 台湾当局の統計によると、香港・マカオからの新規定住者は14年の697人から、15年(891人)、16年(1273人)と増え続けている。

 香港中文大学アジア太平洋研究所が昨年6月に行った世論調査によると、機会があれば海外に移民したいと考える香港市民は38.9%。移民先では、言語や文化が近い台湾(16.3%)が一番人気だ。

 移民を望む理由は「香港政府への不満」「政治的な争議が多すぎる」が上位を占める。中国当局の圧力と、それに伴う香港社会の軋轢からから逃れたい心理が如実に表れている。

   (台北 田中靖人)