7月下旬、ベルリンで医学向けドイツ語試験を受けるため、個人レッスンを受けるシリア難民の女性(左)=宮下日出男撮影

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 ベルリンの元医師の女性(77)の居宅を訪れると、シリア難民の女性(32)が独語を学んでいた。

 病院内を想定した会話では専門用語も飛び交う。

 2年前にドイツにきた難民女性は夫と1歳の子供の3人暮らし。基本的な独語を習得した今、「シリアでの医師経験を生かしたい」と病院の職探のため、医学向け語学試験の準備中だ。

 「簡単じゃない」。当惑する女性に元医師は「2年でここまで上達した。合格できるわ」と励ます。

 公的研究機関が今年初め時点の状況をまとめた報告書によると、15年にドイツに入国した難民らの雇用率は約10%。13年から滞在する難民らでも約3割にとどまり、職探しには時間がかかる傾向がうかがえる。

 「私は運がよかったけれど、難航している人も少なくない」。難民女性がそう語るのは住居探しだ。女性は知人のツテで見つけられたが、何度も家主に断られる難民の苦労も独メディアは伝える。

 ドイツに流入した難民は全員が残れるわけでもない。昨年の認定率は約6割。拒否の場合は原則、自ら出国するか、強制送還措置となる。(ベルリン 宮下日出男)