Adobe Premiere Proユーザーグループ、Premiereとエディターについて熱く語り合った「Premiere Proエディター’s座談会」をレポート 後編

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前編に続いて、Premiereとエディターについて熱く語り合った「Premiere Proエディター’s座談会をレポート」をご紹介していきたい。

一番困る編集依頼ってなんですか?

3つ目のテーマに行きたいと思います。一番困る編集依頼ってなんですか?という質問です。納期なのか?スキル的なものなのか?そのほかにも何かあるのか?話せる範囲で、お話を頂ければと思います。

木下氏:「i」や「p」がぐちゃぐちゃになっているときが一番困ります。フィニッシュがWebなのか?プログレッシグなのか?最後のオンエアがインタレースなのか?それによってだいぶ変わっているので、それは結構気にしますね。

佐藤氏:BSフジで鉄道の番組を撮った時代があったのですけれども、そのときにGoProをよく使っていました。あれ「p」じゃないですか。それを普通にFinal Cutで編集をして、世の中に出していました。途中で「これパラパラするじゃないか?」というのが後からわかりました。GoProは「p」です。しかし、パソコンで編集をしていると「i」か「p」かわかんないのですよね。最終工程のマスモニでようやくわかる。これ愕然としました。それからは、GoProで少し変換をして「i」っぽくするようにしました。よく観たら、ほかの番組のGoProもぱらぱらしているのですよね。だから、ぜんぜん気にしていません。

【佐藤将之氏プロフィール】
元テレビディレクター。5年前からフリーランス。映像制作事務所「FURU-SATO」として活動中。企業セミナーの収録、イベントのネット中継、ワークショップ講師など。Premiereは、趣味でバージョン6から触れている

永谷氏:今は、60iと30pが一番違和感があって面倒くさいですね。

坂野氏:話はずれますけれども、製作からすれば撮影の技術と編集の技術のせめぎ合いというのがありますね。

仲澤氏:永遠に解決されない問題です。僕もそうなんですけれども、学ばないんですよ。昔、ディレクターを行っていたときに勉強とか一切できなかったです。エディターさんが困っていたみたいなのがあるのですけれども、それを改善してあげるための具体的な一歩が踏み出せないんですよ。だから同じことが起きてしまう。

岡田氏:マウントキューのヤマキューさんこと山本久之さんという方がいまして、その方がDIT(デジタル・イメージング・テクニシャン)という職種を紹介しだしたことがありました。そのときはヤマキューさんはもともとスタジオの経験があり、編集側からのアプローチで撮影に行くというのを始めたた方なんですけれども、気が付いたら撮影部出身のDITばかりになりました。本来、デジタルカメラになっておかげで、DITというのは現場を僕ら編集をつなぐ役割だと思うので、もうちょと双方歩み寄りができないかなと思っています。

仲澤氏:びっくりすることに、飲み会とかで「After Effectsを触っている」というと、「After Effectsってなんですか?」と言われるんですよ。びっくりします。Web、テレビ、CM、映画の業界があったら、テレビ屋が一番技術に興味ないですね。だから、そこを認識して、どうしようと考えないいけません。僕は、いろんなことを知りたいなと思っているから、耳を傾けます。しかし、昔、ディレクターを行っていたときに、こういう話をしたら、「俺には関係ないかな」と思ったかもしれません。

佐藤氏:ディレクターでテロップを「ドーン」とか「シュー」とか擬音で言う人がいるじゃないですか。あれ、困りますよね。

永谷氏:編集マンの後ろでよく言われます。ピカーンっだったらわかるけれども、ガシャーンとかわからない。

仲澤氏:それを言っていた側なので。「もうちょっとフォントをぽよっとさせて」とか。

佐藤氏:この監督のシューは0.5秒とかわかっちゃう。

木下氏:レギュラーの第一回目は一番大変ですね。

エディターとして作業をしていて「あるある!」って思うこと

山下氏:次のテーマはエディターとして作業をしていて「あるある!」って思うことってありませんか?

岡田氏:最後の確認で観ているときって見つけちゃいがちではないですか?観なかったことにしたい。

木下氏:1フレームテロップがこぼれてしまっているとか。

佐藤氏:MAで見つけますけれどもね。編集の段階では皆死んでいますから見つかりません。

木下氏:でも、ワークフロー的に僕の会社でやっているのはMAも同時です。尺さえ決まってしまえばMAもできます。

岡田氏:それならDaVinci Resolveとか最適なんじゃないですか?新バージョンではMA機能を搭載しています。この前、ちょっとデモをしてもらったのですが、さすがに同じシーケンスでオフライン編集とMAは同時にできないらしいです。シーケンスをコピーしたら可能です。また、カラコレと編集は完全同時に可能でした。

【岡田太一氏プロフィール】
STUD Co.,Ltd. 代表取締役。TVCMの編集をメインに、ポストプロダクション工程のワークフロー構築を手掛ける。使用ソフトウェアは After Effects、Premiere Pro、Davinci Resolve、3ds max、Flameなど。

佐藤氏:また新しいワークフローになりますね。

岡田氏:アドビさんも頑張っていただきたいです。

木下氏:Auditionで共有して同時に行えるようになればいいですね。

山下氏:Premiereだけで完結すると考えるか、ほかと共有をしてと考えるかで道は変わってくると思います。今の自分は、アドビ製品で完結したいと強く思っているので、そのままフィニッシングしてもいいし、ほかにもっていく方法でもいいと思います。

岡田氏:世の中の流れは、そのままフィニッシングの方向に行っているというのが分かります。別にそれはそれでいいと思うんですけれども、自分のフローというのもありますし、それぞれの工程ごとに違う人がやる意味というのもあります。それができなくなるようなことはしないでほしいと思います。具体的にいうとPremiereには、XMLとEDLを改善してほしいですね。

佐藤氏:やり取りはきちんとしないとね。

岡田氏:やり取りはできるようにしてもらってほしいし、パケられるようになってくれるのはそれはそれで嬉しいです。

仲澤氏:ぜんぜん話がかわりますが、皆さんはどのように技術を習得したのですか?先輩に教えてもらった感じですか?

永谷氏:僕が最初に入った会社では、ワイドショーの編集の仕事でした。ワイドショーのコーナーやニュースネタや特集のネタだったりしました。それは「やって覚えろ」という世界でした。ディレクターと一緒に作業を行っていましたが、見よう見まねで、先輩が行っているのを観て盗んで覚えろで覚えていきました。それからどんどん面白くなってきて、映画をいろいろ観たり、テレビを観たり、いろんな作品を見るようになり、「自分ならばここをつなぎたい」というように思うようになりました。

山下氏:盗んで覚えろというのは、どこを見ればいいのですか?

永谷氏:そのとき、スイッチャーというものを使っているわけですけれども、どこのボタンを押しながらというのを見て、後で終わった後に反復練習をしていました。見よう見まねで、このへんを押しだだろうな?という感じでした。その解読を積み重ねてどんどん使えるようになりました。

あと、編集そのもののつなぎというのは、そのときについたディレクターさんや先輩の編集の仕方を見て覚えるしかありませんでした。当然ディレクターと作業をしていて、「そんな繋ぎないよ」とか言われて駄目出しされて、思考錯誤をしながら画の選び方を覚えてきました。「このディレクターはこういうのが好きなんだ」と覚えても、ディレクターが変わると「そんなんじゃ面白くないや」と言われることもありました。人が変われば視点も変わるものです。そういう経験を積み重ねて覚えていくのではないでしょうか。

木下氏:若い人は、どんどんと聞けばいいのにと思います。僕は初めは制作で入りまして、8つの部署があったので編集とかぜんぜんわかりませんでした。それで、入って間もない時に、先輩から「テープにシンクを入れろ」って言われました。「シンクって何ですか?」というレベルでした。実際にシンクを入れに受付に行ったら、アシスタントの人が暇だったのかもしれません。その時に、「シンクって何ですか?」という感じで話をしました。それ以降も、わからないことがあれば編集室の人と話をするようになりまいて、「波形モニターって何ですか?」「これどうなっていれば、OKなんですか?」という感じで、好奇心で聞きまくりました。その後、「これってこういうことなんですか?」という言う質問をだんだんできるようになりました。皆どんどんと聞いてみたらいいんじゃないの?と思います。

山下氏:最後エディターとは何か?ということを夢や希望のある皆さんに向かって語ってただけますか?永谷さんお願いします。

永谷氏:今は、WindowsであれMacであれ個人で買えて、映像編集、音声編集が当たり前のようにできる時代です。無料でインストールできる編集ソフトもありますし、Premiereだったら、Adobe Creative Cloudというのもありあす。極めて身近で、誰でも手にとってできるという状況です。パソコン一台あればできるので、まず触ることです。興味があるんだったら、買って触って使いまくれというだけです。

そこからわかんなかったら知っている人に聞きまくればいいのです。また、こういうPremiere Proのユーザー会にも顔を出すのもいいと思います。分からなくてもそこに入って、いろんなものを聞いておくと良いでしょう。

山下氏:ありがとうございます。非常に盛り上がったと思います。皆さん長い間でしたが、歓談した皆様も含めてありがとうございました。お疲れさまでございました。

ここで紹介した内容はPremiere Proエディター’s座談会の一部で、アドビのYouTubeチャンネル「AdobeCreativeStation」では座談会を全編収録した「Premiere Pro 25th Event vol.3 1:00-8:00」が再配信されている。座談会をもっと楽しみたいという人はそちらの映像もぜひ観てほしい。

AdobeCreativeStation


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