卒論待ちのゲス不倫から始まり、以来、雨後の筍のように続々スクープされ、非難の的になる有名人の不倫報道。今度はアラフィフ世代の青春のど真ん中、往年のアイドル・斉藤由貴さんです。

6年前の激太りから11kgのダイエットに成功、黄金期の美貌を彷彿させる姿で連続ドラマや人気CMに多く出演する斉藤さん。再ブレーク真っ只中の女優さんだけに注目度は高く、案件的にも大型です。

しかし、この直前に週刊誌に恋人つなぎ写真が掲載され不倫否定会見をした今井絵理子議員に比べ、斉藤由貴さんへの世間の反応やまなざしは、全体的にやさしい。

なぜなのか。

「そんな人だと思わなかった」という“裏切られた感”がないからでしょうか。

アイドル時代の斎藤さんは、“清純派”。でも、たとえば『スケバン刑事』つながりで言っても、無邪気に明るく、アイドルらしくキラキラしていた南野陽子さんや浅香唯さんとは違う雰囲気を持っていました。人から「ちょっと変わっている」と言われがちな文学的な女の子、というイメージです。

与えられる歌も、涙は卒業式よりも哀しい瞬間に取っておきたいから泣かないとか、片思いの男性を思いながら私は自分勝手で愚かで無口な女の子ですかと自問するとか。ちょっと面倒くさいというか、複雑です。そこがよかったのです。

彼女と同じ時代を生きてきた50代の男性は「尾崎豊との一件の衝撃が大きすぎて、この程度のことでは何の驚きもない」と言っていました。

当時、尾崎豊さんはカリスマ的な人気を誇る天才的なアーティストでしたが、人間的にはとてもとても繊細で複雑、ということでも評判でした。「そんな男と付き合える斉藤由貴」。只者であるわけがありません。

また、尾崎さんとの関係を聞かれた斉藤さんが答えた「例えるなら、同志」も、只者じゃねぇ感がハンパなく、今をもってアラフィフ世代に強いインパクトを残しています。

斉藤由貴は不倫しちゃうカテゴリー

一方、「世の中には不倫しちゃう人と絶対に不倫しない人がいて、斉藤由貴は前者。しちゃう人は、たとえ、何年、何十年しなくても、それは単なるブランクでしかなく、“しない人”にはならない」と言う知人女性もいました。だから、「斉藤由貴が不倫したと聞いても、なんとも思わない」と。

もともと、人の不倫沙汰“なんて”、無関係の人間がとやかく言うところのものではありません。それでも私たちは、報道の釈明ブログや弁解会見を見聞きして、イーっとなったり、ギャーっと言ったりします。

それは、その人の言葉の選び方や態度に対して、脳のどこかにある「こいつはウソつきで信用ならん」「イヤなヤツだ」という拒絶センサーが反応するせいなんじゃないかと思います。

センサーは、対象者の保身や横柄な言動に敏感。常日頃からご立派なことを言っていたり、優等生ぶっていたり真面目だと思っていた人には、より大きく反応するようにできています。鼻につくからです。

斉藤由貴さんは、多くの世間の人たちの、そのセンサーにひっかからなかったようです。ニュースバラエティー番組に出ていた男性陣は、「さすがおキレイ」「独特の雰囲気がたまらない」「守ってあげたくなる」と斉藤さんの見た目や雰囲気をこぞって褒めて、本題の不倫疑惑はほぼスルー。

人の不倫なんてどうでもいい上に(すねに傷を持つ人もいましょう)、斉藤さんが鼻につかなかったからでしょう。

女性陣も唯一、和田アキ子さんが「わけわからん」とお怒りでしたが、軒並み「かわいい人ですね」です。夫に浮気されたことがあるママタレントさんですら、「彼女が相手なら、しょうがないなって思っちゃうかも」なんてことを言っていました。それほどに、斉藤さんは「嫌われない」。

顔のつくりそのものがかわいい、というのはもちろんありましょう。でも、それを言えば、ベッキーさんだって今井絵理子さんだって、私たちよりは100倍以上かわいいですからね。

むしろ、あの全体から醸される雰囲気が、「愛される斉藤さん」をつくっているように思います。ぽわぽわっとした雰囲気や、ゆっくりと、でもときどき早口になる話し方は、おっとりとしていながらも聡明な感じがします。

困ると、うつむきがちに遠い目をして数秒黙るところはミステリアスだし、そして「そこが私のダメなところなんだと思います」と言いよどむところは、素直に心を開いているように感じさせます。

そして、たまに聞かれたことと別の話をしだしたり、脱線したりするところはチャーミングです。天然なのか、演技なのかはわかりません。女優さんですからね。

この一連の話題を見て「自分勝手なことをしてるのに、周囲に嫌われることなく、おいしいところを持っていくのは、たいていこんな感じの女ですよ」とやさぐれるアラフィフがいました。でも、働くアラサーのみなさんは、斉藤由貴さんが放つ雰囲気を非難するよりも、習得したほうがこの先の人生、楽になるんじゃないかと思ったのですがどうでしょう?

「斉藤さんには及ばないけど…」その2ではあずき総研で働くアラサー&アラフォーに聞いた「うちの会社のプチ魔性女」を紹介します。

なんで今井絵理子議員は叩かれまくって、斉藤由貴はそうじゃないんだろう。既婚者、子持ち、好意はあった、付き合っていない、でも恋人つなぎ、って全部同じなのに。不思議よね。