オールスターキャストが勢ぞろい

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 黒沢清監督の最新作「散歩する侵略者」の完成披露試写会が8月8日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、主演の長澤まさみをはじめ松田龍平、長谷川博己、高杉真宙、恒松祐里、前田敦子、満島真之介、児嶋一哉(アンジャッシュ)、光石研、メガホンをとった黒沢監督、原作者の前川知大が舞台挨拶に立った。

 前川が主宰する人気劇団「イキウメ」の舞台作品を、黒沢監督が映画化。行方不明だった夫(松田)が、地球侵略をもくろむ宇宙人に乗っ取られて帰ってくるという衝撃的な事態に直面する主人公・鳴海(長澤)を中心に、日常が異変に蝕まれていくさまをエンタテインメントとして描き出す。

 この日のチケットは、発売開始から15秒で完売となったそうで、長澤は「うれしいです」と満面の笑み。原作者の前川は「12年前、新宿の地下の100人くらいしか入らない劇場で初演した作品が、映画になってこれだけのお客さんの前で上映されることに……」と感慨深げ。黒沢監督も「7、8年前に原作と出合い、衝撃を受けてなんとか映像化したいと強く思った」と明かし「どうしたら映画に置き換えられるか? 試行錯誤の連続でしたが、最終的に迷いのない映画になりました。迷いのない確信が最後に待っていると思います」と出来ばえに自信をのぞかせる。

 侵略者に乗っ取られた夫の妻という役柄を演じた長澤は「鳴海という人は大半が怒っているのですが、エネルギーがいり大変でした」と述懐。その“怒り”の矛先を向けられる夫・真治を演じた松田は「長澤さんのエネルギーだけがともしびでした。ひたすら、長澤さんだけを見ていましたが、本当に怖くて……。宇宙人の気持ちとリンクするところもあって、『宇宙人なのか? 真治なのか?』というセリフがあるんですけど、僕も『僕なのか? 宇宙人なのか?』という気持ちに囚われる不思議な経験でした」と長澤に向き合うことで役に入り込めたと振り返った。

 劇中の宇宙人は人間の持つ“概念”を奪うことで侵略を進めるが、登壇陣の中の誰からどんな概念を奪いたいか?というお題に対し、満島は「本当に落ち着きがないので、(松田)龍平さんから“落ち着き”という概念を奪いたい。落ち着きを失った龍平さんがどうなるかも見たい」と語ると、松田は満島とは正反対のローテンションで「心の中は大忙しなのに伝わらないから損しています。それはそれで大変」と苦笑い。満島が、真夏の撮影で革ジャンを着ていても、松田が涼しい顔をしていたことを、モノマネを交えて明かすと、松田は「いまの俺のモノマネ? タイプが違い過ぎて、絡みづらい……。苦手です」と本音を口にし、会場は笑いに包まれていた。

 「散歩する侵略者」は、9月9日から全国公開。