リアル店舗強化のシャオミ「世界5位」のスマホメーカーに復権

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中国のスマートフォンメーカー、シャオミ(小米)は約2年の間、売上の低迷に苦しんだが、ようやく復調の兆しを見せている。2017年の第2四半期に、シャオミは出荷台数ベースで世界のスマホメーカーのトップ5圏内に返り咲いた。

調査企業CanalysやIDCらのデータによるとシャオミの四半期あたりの端末出荷台数は、前年同期から約59%の増加となった。同社の創業者のレイ・ジュンは7月の決算発表の声明で「2年間に及ぶ戦略転換が実を結び、ようやく売上を回復軌道に載せることができた」と述べた。

IDCのデータによると今年の第2四半期の各スマホメーカーの出荷台数は、世界1位のサムスンが7980万台。2位のアップルが4100万台、3位のファーウェイが3850万台。4位のOPPO が2780万台。シャオミは2120万台で5位に入った。

かつてネットを通じたフラッシュマーケティングにより、スマホ業界の旗手となったシャオミは、競合との競争に破れ売上を前年度比で40%も減少させた。OPPOやVivo等の競合がリアル店舗の販売で売上を増す中で、シャオミの苦戦は明らかだった。

シャオミはこれに対抗する措置として自社製のPineconeチップを開発し、ベゼルレスの高級端末でかつての「安価なスマホメーカー」とのイメージを払拭。また、インドでのブランドの認知度向上に務めた。

Counterpoint Researchのデータによるとシャオミは現在、インドのスマホ市場で15.5%のシェアを持ち、シェア24%のサムスンに次いでインドで2位のスマホメーカーだ。しかし、シャオミの復権の最大の要因となったのは、オンラインの販売戦略の見直しだった。同社は「Mi Home」と名付けたアップルストア的位置づけのリアル店舗を、2019年までに世界2000店舗に拡大しようとしている。

シャオミは中国での店舗数目標を1000店舗としており、2021年までに実店舗売上100億ドルの達成を目標としている。これは1店舗あたりの売上が年間1000万ドルに達することを意味し、かなり高いハードルと言える。

しかし、シャオミの戦略転換は既に実績をあげている。Canalysのデータではシャオミは今年の第1四半期に中国で890万台のスマホを出荷しており、新規に出店した店舗からの売上が約34%に達した。また、北京に開設した旗艦店の売上は月間で150万ドルを突破している。

ロボット掃除機の販売も開始

しかし、利益率が非常に低いシャオミにとって、リアル店舗のコスト負担は非常に大きい。競合のOPPOが個人営業の小さな店舗で売られるのに対し、シャオミのMi Homeは広々とした店内にウッディなインテリアを配置して高級感を売りにし、家賃負担だけでも相当なものだ。

シャオミは今年8月に10億ドルの借り入れを行ったが、店舗の運営のためにさらなる資金調達が必要になるとCanalysのアナリストは述べている。

調査企業Forresterのアナリストの Travis Wuは「シャオミの営業利益率は1.8%しか無い」と指摘する。「リアル店舗の強化は正しい戦略と言えるが、今後も大きな損失に備える必要がある。店舗の増設はシャオミにとって大きな賭けだ」とWuは述べている。

しかし、シャオミは今後もこの賭けに勝ち続ける必要がある。端末の販売のみならずゲーム等のコンテンツ販売にも乗り出したシャオミは、常に新たな顧客を呼び込み、シャオミのエコシステム内でコンテンツを買わせる必要がある。

さらに、シャオミはスマートフォンだけでなくロボット掃除機の「Mi Robot」等の家電製品の販売にも力を注いている。「シャオミは今後さらに、スマートフォン以外のスマートデバイスの販売に注力する。リアル店舗の強化は同社にとって必須の課題だ」とCanalysのアナリストは述べた。