うたた寝する男性(2012年2月22日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】人は睡眠中に新しい言語や楽曲などを覚えることができるはず──この考えに魅了された科学者らはこれまで長らく、まちまちの実験結果しか得ることができていなかった。

 このほど、その理由をついに解明したとする仏チームの研究結果が発表された。研究チームは、人の脳が、睡眠中のある特定の段階でのみ学習できることが分かったとしている。

 8日に英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に発表された研究論文によると、今回行われた実験では、急速眼球運動を伴うレム睡眠(REM)と、眼球運動を伴わないノンレム睡眠のステージ2(N2)の各睡眠段階中に再生された音声パターンを被験者らは記憶できたという。

 REMは意識がなくなる段階で、通常この間に夢を見るとされる。その名称が示す通り、このステージでは眼球が絶え間なく動き回るという特徴がみられる。N2は比較的浅いノンレム睡眠の一段階だ。

 だが、N3と呼ばれるノンレム睡眠の第3段階は、記憶の形成に対して有意に悪影響を及ぼすと研究チームは指摘する。

 N3について研究チームは、「前段階のN2睡眠の間に学習された音声パターンが忘却される。まるで記憶から消去されるかのようだ」と述べている。

 実験では、脳波記録(EEG)モニターに接続された睡眠中の被験者23人に、あらかじめ録音した複数の音声パターンを再生して聴かせた。そして、被験者が目覚めた後に、睡眠中に再生されたシンプルな楽曲をどの程度記憶しているかのテストを行った。

 研究チームは「学習が可能な浅いノンレム睡眠と、学習が抑制される深いノンレム睡眠との間の明確な差異を観察した」と、ネイチャー・コミュニケーションズ誌の報道向け要約記事は述べている。

 実際に、N3睡眠の間に楽曲の記憶を消した被験者らをめぐっては、目覚めた後に、一度も聴いたことのないものを覚えるより、同じ楽曲を学習し直す方がはるかに難しいと感じたとの結果が示されている。

 この結果について研究チームは、N3睡眠には記憶を整理する働きがあるとする説を裏付けていると指摘する。

 今回の成果を学習の助けになるものとしてどのように実用化できるのかを判断するためには、今後のさらなる研究が必要となる。
【翻訳編集】AFPBB News