昨シーズンとほぼ同じチームで早くも1つ目のタイトルを手にしたマドリー。ただし、1シーズンを戦い抜くためには、戦力や戦術の上積みが必要であり、選手だけでなく、ジダン監督、フロント陣の仕事ぶりも注目される。 (C) Getty Images

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 8月8日(現地時間)、昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)の勝者が対峙するUEFAスーパーカップがマケドニアのスコピエで行なわれ、欧州王者のレアル・マドリーが2-1でマンチェスター・ユナイテッドを下した。

 マドリーは、5日のチームに合流したばかりのC・ロナウドはベンチスタート。去就をめぐり、この試合での出場の有無が注目されたベイルはスタメンに名を連ねた。
 
 試合は立ち上がりこそ、両チームが一進一退の攻防を見せるが、最初にボールをキープしたのはEL王者。中盤で精力的にボールを追って奪い、速い展開から前線にボールを送る。ここでは新加入のルカクの強さと、ムヒタリアンのテクニック、ポグバの積極性が目立った。
 
 しかし、ファーストシュート、しかも決定機な一撃を放ったのはマドリーだった。16分、クロースのCKをカゼミーロが頭で合わせてクロスバーを叩く。このブラジル人MFは、直後にもクリアボールを拾い、力強いシュートを放った(枠外)。
 
 これを機に、マドリーはボールをキープし始め、ピッチを広く使ったパスワークで敵陣深くに侵入していく。マンチェスター・Uを左右に揺さぶりながら、チャンスを窺い、イスコらが積極的にシュートを狙っていった。
 
 マドリーのボールポゼッションが高まる一方のなか、24分に試合は動く。カルバハルの浮き球の縦パスに、DFラインの裏に走り抜けたカゼミーロがスライディングしながらのハーフボレーで合わせて、ゴール右隅に突き刺したのだ。
 
 その後もマドリーは、テンポ良くボールを回し、相手に絞り込みを許さず、空けたスペースをうまく使いながら、ボールを前に進めていった。
 
 30分の給水タイムの後は、マンチェスター・Uも幾らか守備のプレッシャーを強めたことでボールを奪い、攻撃に結び付けられるようになるが、得点機はアディショナルタイム、ポグバのクロスをルカクがS・ラモスに競り勝って頭で合わせた場面(GKナバスの正面)ぐらいだった。
 
 後半、主導権を握ったのは、やはりマドリー。48分にはクロースが左に流れながら強烈なミドルを放ったが、これはGKデ・ヘアが横っ飛びでCKに逃げる。直後の、マルセロのボールカットからのシュートは、DF陣にブロックされた。
 
 マンチェスター・Uはリンガードに代わってピッチに立ったラッシュフォードが積極的な仕掛けを見せるが、チームとしての攻撃は単発。多くの時間帯で、マドリーのパスワークに翻弄される羽目となった。
 
 そして52分、左サイドから仕掛けたマドリーは、イスコがベイルとの壁パスで完全に抜け出し、ゴール右隅に流し込んで追加点を奪った。
 
 マドリーはリードした余裕から、焦ることなく緩急をつけたパスワークを展開。相手を引きつけ、揺さぶりながら、少しでもスペースが空けば、個々が的確な判断でドリブル突破を試るなど、効果的なプレーを続けていく。
 
 61分にも、速いパスワークのなかから、カゼミーロがスルーパスをベイルに通し、ウェールズ人アタッカーは強烈なシュートをクロスバーにヒットさせるという決定的場面が生まれた。
 
 しかし、マンチェスター・Uも諦めることなく、その1分後、サイド攻撃から、中央のマティッチがグラウンダーのミドルを放ち、ナバスが弾いたところをルカクが詰めて1点差とする。54分にポグバのヘッドがセーブされた後のこぼれ球を決めそこなったルカクだが、同じ失敗は繰り返さなかった。
 
 さらに81分、マンチェスター・Uは速い攻めからムヒタリアンがラッシュフォードに決定的なスルーパス。GKとの1対1の場面となるが、シュートはナバスの腕に当たって枠を外れ、絶好の同点機を逸する。
 
 82分、マドリーはベンゼマに代わってC・ロナウドが登場。今シーズン初の試合出場を果たしたエースには、直接FKの見せ場もあったが、ゴールを決めることはできなかった。
 
 S・ラモスとの競り合いで負傷したフェライニの治療があったため、アディショナルタイムは7分も設けられたが、ここでも決定機を作ったのはマドリー。バスケスの技巧的なドリブルからのクロスを、アセンシオがダイレクトで合わせたが、鋭いシュートはGK正面に飛んだ。
 
 そして試合終了。マドリーは、2年連続4度目のスーパーカップ制覇を果たした。マンチェスター・Uは1991年以来、2度目の優勝はならず。モウリーニョ監督にとっては、3度目の敗北となった。
 
 マドリーは昨シーズンとほぼ同じ陣容、一方でのマンチェスター・Uは3人の新加入選手が各ラインに入ったという違いもあって、両チームの完成度の違いは明らか。CL王者への期待度は高まる一方で、EL王者にはまだ時間が必要だということが感じられた。
 
【得点】
レ=カゼミーロ(24分)、イスコ(52分)
マ=ルカク(62分)