処女作『コピー1枚すらとれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』が話題沸騰のShin氏。外資系コンサルティングファームのマネジャーであり、ビジネスブログ「Outward Matrix」の運営者でもある彼は、本書のタイトルにあるように、もともとド落ちこぼれだった(落ちこぼれ時代のエピソードは、連載第1回をご参考ください)。彼はいったいどうやって、たった1年で外資系コンサルティングファームのマネジャーにまで上り詰めたのか――。急成長を遂げる過程で、考えたこと、学んだこと、そして実践してきたノウハウについて、Shin氏に教えていただいた。

「良質な経験」の積み重ね方

 問題に直面したとき、その問題を根本から解決できる「適切な解」をすぐに思いつけたら最高ではないでしょうか? 「適切な解」を導き出すのが苦手だったぼくは、これを一瞬で導き出せる方法を探したことがあります。しかし残念ながら、そんな夢のような方法を見つけることはできませんでした。ただし、「適切な解」を導き出すために「必要なこと」はわかりました。それは、絶対的な「経験量」です。多くの問題に向き合い、成功や失敗を積み重ねていくことです。

 ただし、ただ経験が多ければいいわけではありません。“良質な経験”を積み重ねることが大切です。良質な経験とは、「成功した」「失敗した」で終わらせず、「なぜあのときうまくいったのか?」「どうして失敗してしまったのか?」「共通の成功要因、失敗要因は何か?」「具体的にどうすればもっとうまくいくのか?」と、その要因をきちんと理解することを指します。これを積み重ねることで、たった1年でも、見違えるほど「適切な解を導く力」が向上していきます。

 そのために効果的なのは「ブログ」の執筆です。ぼくも、いままで350以上のブログ記事を書いてきました。1記事あたり平均3000字なので、すべて合わせると100万字を超えます。そして、その大半を占めるのは「仕事」に関する記事です。社会人1年目から現在までのさまざまな経験を棚卸しし、失敗体験を振り返り、成功要因を抽出し、文字に落とし込むという作業を延々とやってきました。

 人間の頭には限界があり、どのような経験をしても、時がたつにつれ、そこで学んだことは色あせていってしまいます。腹わたが煮えくり返るような悔しい経験ですら、どんどん記憶から消えていってしまうのです。しかし、それらを自分の言葉で残しておくと、経験が自分の中に蓄積されていくのです。

 たとえば、仕事をしていると、とてもうまくいくことがあるはずです。前月に比べて営業成績が2倍に伸びた、社内プレゼンで新人賞を取ることができた、クライアントへの最終報告をミスなくこなせたなど、それを毎回続けられれば、あなたはすぐに「優秀な社員」として評価されるようになります。

 しかしながら、その成功を振り返ることなくそのままにしておくと、そのときになんとなく体得した「成功のコツ」が自分の中に蓄積されません。次に同じようなチャンスがめぐってきたとき、過去と同様のパフォーマンスが出せなくなってしまうのです。だからこそ、なぜうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのか、どうすればそれを今後うまく生かすことができるのか……そうしたことを振り返り、自分の言葉で文章化しておくことが必要なのです。

 そのためにブログをオススメしているのは、ブログは人にわかりやすく書くことを前提としているからです。人に話すということはその内容を頭の中で整理できていなければできません。ブログで成功要因や失敗要因を書いて伝えることで、自然と頭の中が整理され、自分の身になっていくのです(もちろん、勤めている会社やクライアントがわかるような内容を公開するのはNGです)。

 それを繰り返すことで、失敗の原因を排除し、成功を再現していくことができます。つまり、適切な解を導くための「良質な経験」が積み重なっていくのです。ぜひ、成功と失敗をただの経験で終わらせず、良質な経験として、自分のモノにしていきましょう。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)