EV電池の開発競争が激化 トヨタはどう出る?

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 8日の日本経済新聞は「EV電池 走行距離2倍 GSユアサ、ガソリン車並みに 」との表題で最近特に動きが多いEVに関する話題を提供している。

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 要旨はフル充電での走行可能距離が2倍になる技術革新に成功し、20年にも量産を開始して内外の自動車メーカーに供給、価格は現行程度にしたいとのこと。GSユアサが三菱商事・三菱自動車などと共同出資しているリチウムエナジージャパン(LEJ)が生産し、実車搭載されている三菱自動車の小型EV「アイ・ミーブ」の走行距離が現行の170キロから340キロと倍増するという。

 EVが現在まで思ったように普及しない理由は(1)フル充電での走行距離が短い(2)値段が高い(3)充電時間が掛かる(4)劣化が早い(5)車内に大きな設置スペースが必要といったところにまとめられる。今回の報道を検証してみると、“(1)(小型車で)ガソリン車並みになった”ことが評価できるが、価格は現行同等で変化なく、その他の項目については特に触れられていないため不明であり、今後さらなる研究開発の余地が大きいことを改めて感じさせる。

 さて、先月末から報道先行ではあるが大きな話題となっているのは、トヨタと東京工業大学がすでに5年以上の歳月を費やして開発中である「全固体電池」である。この「全固体電池」を搭載した車両が22年に発売される(一部にはもっと詳細な筋からの情報として20年との説もある)との報道がされている。全固体電池の開発成功については昨年3月に発表されており、現在衆目の関心事は商業応用が成功して実車に搭載され、所期の性能を存分に発揮することを目のあたりにするのはいつになるのかである。

 未確認ながら報道されている情報では、現在300〜400km程度であるEVの航続距離が2倍になり、充電時間は数分で済み、寿命が非常に長いとされていて従来ネックとされていた(1)(3)(4)が大いに改善され、(2)と(5)が不明である。

 もちろん報道されていることが全て真実とは限らない。こうした報道に関してアメリカのEVメーカーで現在の市販EVの話題を席巻し、リチウムイオン電池に関して高い知見を持つテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「アンドロメダ星雲への瞬間移動のように口では何とでも言える。我々か第三者の研究所で検証させてくれ」との見解を表明し、上っ面な期待に警鐘を鳴らしている。

 トヨタが正式発表していない状態で期待ばかりを膨らませるのは感心しないが、4日に発表されたトヨタとマツダの資本業務提携の目的に、“EVに関する共同技術開発”が入っていることが、今後の展開を暗示する伏線になっていると思われてならない。