別府市に7月29〜31日の3日間限定でオープンした温泉テーマパーク「湯〜園地」。連日、テレビやネットで大きな話題となり、市のPRとして異例の大成功を遂げました。地方自治体の企画が、何故ここまで多くの人々の心を掴んだのか?現地でその秘密を探りました。

湯〜園地とは?

温泉の湧出量・世界一を誇る別府市。2016年11月に市が発表した「遊べる温泉都市構想」のPR動画が、大きな反響を呼びました。

https://www.youtube.com/watch?v=UbMmhQYoAsM

動画内で、別府市の長野市長が「100万回再生されたら、『湯〜園地』実現いたします!」と公言。すると、わずか3日間で100万再生を突破してしまいました。「やってしまった」と困り顔の市長の姿がネットメディアでも紹介され、さらに話題に。

2017年2月から、8000円以上出資した人に入園券を返すという形でクラウドファンディングを開始したところ、2か月で約3400万円に達し、さらにふるさと納税や企業からの寄付も増え、合計8200万円の資金が集まりました。

こうして、3日間限定の温泉テーマパーク「湯〜園地」が、実現することになったのです。

温泉テーマパークに潜入!

7月29〜31日の3日間、別府市で昭和4年から営業を続ける老舗の遊園地「ラクテンチ」が「湯〜園地」として生まれ変わりました。

アトラクションは、泡状になった温泉に胸までつかる「バブルジェットコースター」、ミスト状の温泉を浴びながら渡る「湯〜覧吊り橋」、檜風呂に入ったままくるくる回る「温泉メリーゴーランド」など、温泉にまつわるものばかり。

安全性の問題により、PR動画から変更になった点はありますが、「遊園地で遊びながら温泉も楽しめる」というコンセプトはそのまま。

温泉で全身びしょ濡れの人たちが、タオルを巻いて園内を楽しそうに歩く、というシュールな光景が目の前に広がっていました。

遊園地とはミスマッチな風呂桶もここならでは!

会場に着くと、すでにボランティアの方たちが元気いっぱいに動き回っていて、オープン前から熱気ムンムン。

ケーブルカーの駅からの誘導、写真撮影、クロークでの荷物の預かり、グッズの販売、ゴミ拾い、経口食塩水の配布、列の整備などなど、全て有志のボランティアによるもの。

夏休み中だったせいか、高校生のボランティアも多かったです。このイベントを成功させようという別府市民の皆さんの意気込みを感じます。

1番の人気は「バブルジェットコースター」。4時間待ちとの噂を聞き、早めに並ぶことにしました。列に並んでいる間も、ボランティアの人たちが水をかけてくれたり、うちわで扇いでくれたり、経口食塩水を配ってくれたりと、至れり尽くせり。

園内には水鉄砲を持ったボランティアさんが大勢いました。水をかける方もかけられる方も楽しそう。

食べ物・飲み物の売り子さんたちがひっきりなしに現れるので、熱中症で具合が悪くなったり、お腹が空いて機嫌が悪くなることもありませんでした。

列の途中で、マジックショーが始まったり、踊りを披露するパフォーマーが現れたりと、並んでる人たちを飽きさせない工夫も随所に見られました。

興奮!温泉アトラクション!

「バブルジェットコースター」は、温泉を泡状にして座席に敷き詰め、泡を撒き散らしながら走る湯〜園地の目玉アトラクション。

座席に座ると、機械から大量の泡が投下されます。

泡が投入されるジェットコースター。

コース上を走っている間も、泡がふわふわと視界を舞って夢の中にいるようでした。ラクテンチは別府市内を見渡せる山の上にあるため、バブルジェットコースターからの眺めがよく、爽快です。

ちなみに、このジェットコースターは水曜日のカンパネルラのコムアイさんもPR動画内で楽しんでいました。

https://www.youtube.com/watch?v=EDsXuKF_AMU

「かけ湯スライダー」は、途中のかけ湯ポイントで温泉を浴びながら、浮き輪で滑り落ちていくアトラクション。

流されていく筆者。ベルトコンベアで出荷されていく豚を彷彿させます。

最後は、温泉のたまった小さいプールに顔面から突っ込みます。

ズドボーン!

全長80メートルの斜面を全速力で滑り落ちるので、かなり怖かったです!

他にも「幽〜湯〜列車」「スプラッシュグライダー」など、小さな子どもでも楽しめるアトラクションが盛りだくさん。元々が古い遊園地なので、正直すごい設備ではないのですが、アイデア次第でこんなに斬新で面白くなるのんだな……!と感心しました。

別府市の企みに期待!

「湯〜園地」で実感したのは、お客さんもボランティアも「湯〜園地を楽しもう、成功させよう」という一体感があったということ。

例えが少し飛んでしまいますが、コミケでよく言われる「コミケに『お客様』はいない」の精神に通じるものがあると思いました。出資した側も、もてなす側も、別府市の「湯〜園地計画」に賛同した参加者。自分も当事者であるという意識が、「湯〜園地」が大成功に終わった秘訣なのかもしれません。

別府市で、新しい地方創生の形を見た気がします。本当の意味で、身も心も温まった「湯〜園地」。これからも遊べる温泉都市・別府市の企みに期待大です。