中国は5日の対北朝鮮制裁国連安保理決議に賛成票を投じた。6日のマニラでのASEAN外相会議の関連会合では周到な根回しによりアメリカの存在を圧倒。米中首脳会談ではトランプ大統領の年内訪中を求めた。中国の戦略を読む。

また「これまでにない最も厳しい制裁」と国連安保理

北朝鮮の核・ミサイル開発に関して、8月5日、ニューヨークにある国連本部で安保理事会が開催され、北朝鮮に対する新たな制裁決議(2371号決議)が全会一致で採決された。つまり、中国もロシアも賛成票を投じたということだ。

国連のヘイリー米大使は、「これまでにない最も厳しい制裁」と胸を張ったが、いったいこれまで何度、「これまでにない最も厳しい制裁」と言い続けてきたのだろう。それを繰り返しては北朝鮮に核・ミサイル開発の余地を与え続けてきた。

今般も7月4日と28日に北朝鮮はICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を行ったばかりだ。

新たな制裁決議に対して北朝鮮は激しく反発し、7日、「米国がわれわれを圧殺しようとするならば、いかなる最終手段も躊躇しない」という旨の政府声明を発表した。

一方、中国の王毅外相は5日、中国もロシアも制裁決議に賛成したのは「中露ともに北朝鮮の核・ミサイル開発には反対しているからだ」とした上で、「制裁は必要だが、それは最終目的ではない。目的は朝鮮半島核問題を談判のテーブルに引き戻し、話し合いを通して最終的な解決方法を模索し、朝鮮半島非核化と安定に至らなければならない。中国は各関係者が、中国が提案している"双暫停"を受け入れることを希望している」と述べている(中央テレビ局CCTV)。ここで"双暫停"とは「北朝鮮は核・ミサイル開発を暫定的に停止すると同時に、韓国は米韓合同軍事演習を暫定的に停止すること」という、「二つの暫定的な停止」を指す。

マニラにおけるASEAN外相拡大会議で中国存在感

8月5日からフィリピンのマニラでASEAN(東南アジア10か国)外相(拡大)会議が開催された。6日からASEAN以外の「米、中、露、日、韓」なども参加し、東シナ海問題や北朝鮮問題なども討議した。

この討議で中国が勝利できるように、中国は早くからフィリピンを抱き込む戦略に出ていた。

まず今年6月29日に王毅外相は、5月10日に就任したばかりのフィリピンのカエタノ外相を北京に招聘し会談していた。中国外交部が「中比関係の輝かしい前途に通じる道」]というタイトルで報道している。

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)