第16回世界陸上ロンドン大会、女子1500メートル準決勝に備える南アフリカのキャスター・セメンヤ(2017年8月5日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】2009年の第12回世界陸上ベルリン大会(12th IAAF World Championships in Athletics Berlin)で一躍有名になって以降、性別に関する疑問が常に付きまとった南アフリカのキャスター・セメンヤ(Caster Semenya)が、生まれつきテストステロン値の高い女性アスリートに国際陸上競技連盟(IAAF)が再びルールを定める可能性に関する質問を一蹴した。

 IAAFと世界反ドーピング機関(WADA)の研究結果で、生まれつきテストステロン値が高い女性アスリートが、通常値のライバルと比べて競争力が4.5パーセント優位であると判明したことを受け、セメンヤは再びスポットライトを浴びている。

 五輪と世界陸上の女子800メートルで金メダルを獲得している26歳のセメンヤは、テストステロンの分泌レベルを強制的に設定したIAAFの裁定について、2015年にスポーツ仲裁裁判所(CAS)が差し止めるまで、ほかにも大勢いる同じ体質の女性アスリートとともに薬を飲んで値を下げていた。

 この問題に関する物議を避けるため、セメンヤこれまで慎重な態度を貫き、陸上競技でのパフォーマンスに専念し、7日に英ロンドン(London)で行われた世界陸上の女子1500メートルでは、最後のスプリント勝負の末に銅メダルを獲得した。

 セメンヤは「それらの物事や問題については気にしていません。私には関係ないことであり、連盟の問題です」とすると、2009年のベルリン大会で金メダルを獲得して以降、不当な扱いを受けるキャリアを過ごしてきたとして、「2009年からずっと、私はそうした記事を目にしてきました」と語った。

 圧倒的な速さでの優勝によって、驚くべき身体能力の進化よりも性別に疑いが持たれてしまったセメンヤは、IAAFが検証に乗り出したことを受け、11か月間にわたり大会に出場できなかった。

 騒動が再燃していることについて「いらいらするし、うんざりもする」としながらも、セメンヤは自分の問題ではないと主張し、「もう過去のことです。誰が対処しようと、それは彼らの問題であって私には関係ありません」と述べた。

「もう思い悩んだりしません。私はネガティブなことを気にする人間ではありません。前向きな性格で、物事をポジティブに考えています。まさに一人の人間として、自分のことに集中するという境地に達しているのです。分かりますか?」

「私はIAAFのために仕事をしているのではありません。私はキャスター・セメンヤで、アスリートです。自分の未来に向けて集中しています。彼らは彼らの仕事をして、私は私の仕事をすれば良いのです。いちいち気にしていません。自分にとって、そのようなことに振り回されるのは時間の無駄です」

 IAAFが再びテストステロン値を下げるために投薬することを定めた場合、それに従うか問われると、セメンヤは「くだらないことに割く時間はありません。投薬があろうとなかろうとです。それは彼ら自身が決めることです。無駄なことをしている時間はありません」と答えた。

 この日の女子1500メートルで優勝したケニアのフェイス・キピエゴン(Faith Kipyegon)と、銀メダルを獲得した米国のジェニファー・シンプソン(Jennifer Simpson)に続いて3位に入ったセメンヤは、新たな質問攻めに対する準備を怠ることなく、得意種目である800メートルに集中することになる。
【翻訳編集】AFPBB News