2017年7月の「東日本大震災」関連倒産は3件だった。4カ月連続で1桁台で推移し、収束傾向が強まった。ただし、累計件数は震災から6年を経過して1,821件(7月31日現在)に達した。7月の負債総額は13億2,000万円で2カ月連続で前年同月を上回った。

2017年7月の倒産事例

 建築資材販売のケイエイチティー(株)(TSR企業コード:150113900、法人番号:3380001010172、福島県)は、ピーク時には9億2,000万円の売上高を計上していた。しかし、減収基調が続いていたところに東日本大震災で一部被害を受けた。その後は、過重な金融債務が経営の足かせになり、2016年に東日本大震災事業者再生支援機構に支援を要請した。再建策として第二会社方式を選択し、新会社へ債務を除いて事業譲渡するともに商号変更して特別清算を申請した。
 宅配ピザ店経営の(株)オーディンフーズ(TSR企業コード:060095199、法人番号:3440001000266、北海道)は、「10.4(テン.フォー)」の屋号で、全国各地に直営店とFC店をピーク時で合計200店舗以上を展開し、36億円の売上高を計上していた。しかし、東日本大震災による被害で閉店する店舗も出て売上高が減少した。さらに出店経費の負担が重く、厳しい経営が続いたことで民事再生法を申請した。

 2017年7月の地区別は、北海道、東北(福島)、関東(埼玉)の各1件だった。
 「震災関連」倒産の累計1,821件を都道府県別でみると、最多は東京の551件。次いで、宮城155件、北海道85件、神奈川74件、千葉73件、岩手71件、福岡70件、茨城69件、群馬59件、栃木57件、福島55件、静岡49件、山形47件、埼玉46件、大阪45件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は383件(構成比21.0%)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,821件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の481件(7月1件)。次いで、製造業が410件、卸売業が339件(7月2件)、建設業が220件、小売業が170件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,654件(構成比90.8%)に対し、「直接型」は167件(同9.1%)だった。

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

  1. 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
  2. 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
  3. 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
  • 集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • 「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)