アーティストになる理由は色々あると思う。あくまでも私のイメージだけど、芸術を職業に選ぶ人間には、何かしらの「意外性」を秘めているような気がする。

スペインに住むLorenzo M. Duranはもともと、ロープを身に繋いで高所を点検する仕事をしていた。しかし、職を失って途方に暮れていたある日のこと。1匹のアオムシが葉っぱを食べている姿を見て、彼はリーフアートに目覚めたのだ。

美しく感じた「虫食いの跡」

現在、36歳のLorenzoは、2005年に職を失ったことがキッカケで、自分の中にあるアートへの情熱に気づく。

人生で何をするべきか……。失業中は、自分の生きる意味を探し続けていた。意外にも、彼にとって非常に大切な決断をさせたのは、葉っぱを食すアオムシだった。葉に残った「虫食いの跡」が、彼には幼虫が生み出したアートに見えたのだろう。

その後、2年をかけて独自のリーフアートを生み出すために、研究を重ねてテクニックを磨き続ける。努力の末に、数年後にはアーティストとして活躍するように。

可能性に満ちる
葉っぱのアート

Lorenzoの研究は、葉っぱを切るだけには止まらなかった。壊れやすくてフラットなものを、立体的にする工夫を施す。その性質をとことん知り尽くした彼に、葉の魅力について聞いてみると、こう答えてくれた。

「脆くて崩れやすいものだからこそ、その弱点と向き合うことにした」

もしかしたら、葉っぱの弱い部分だけではなく、「自分自身の弱さとも向き合え」というメッセージが込められているのかもしれない。

彼がリーフアートを続ける限り、まだまだ可能性を見出すのだろう。

Licensed material used with permission by Lorenzo M. Durán