「善人でいるために神は必要ではない」と書かれた看板(2009年8月19日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】無神論者は、キリスト教やイスラム教、ヒンズー教、仏教などを信仰する人々よりも悪行に対する嫌疑をかけられやすいとする一風変わった社会調査の結果が7日、発表された。

 英科学誌「ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア(Nature Human Behaviour)」に掲載された論文によると、この研究では、世界5大陸13か国の3000人以上を対象に意識調査を実施。

 対象国は、中国やオランダなど「非常に世俗的」な国々から、アラブ首長国連邦(UAE)や米国、インドなど信仰を持つ人々が多数を占める国々まで幅広く選択された。

 これらの国々では、国民の大部分が仏教、キリスト教、ヒンズー教、イスラム教などの信者であるか、あるいは無神論者だった。

 調査では、最初に対象者に対し架空の人物についての描写を行った。この人物は幼少期に動物を虐待し、成人して教師になった後、ホームレス5人を殺害し、遺体を切断したという設定だった。

 その後、対象者の半数に対し、この人物が宗教を信仰していた可能性の有無を尋ね、さらに別の半数に対しては、無神論者であった可能性の有無を尋ねた。

■無神論者も無神論者に偏見

 調査の結果、この連続殺人犯を無神論者とみなした人々は、そうでない人々の約2倍に上った。

 論文の共同執筆者、米ケンタッキー大学(University of Kentucky)のウィル・ジェルベー(Will Gervais)教授(心理学)はAFPに対し、「無神論者でさえ、直感的に無神論者に対する偏見を持っているらしいというのは印象的だ」と語る。

 同氏は、「これが信仰を擁護する昔ながらの規範が根強く残っていることから生じるとみることには懐疑的だ。公然と世俗主義を掲げている地域であっても、人々は今も宗教は倫理的なセーフガードとの信念を直感的に持ち続けているようだ」と説明している。
【翻訳編集】AFPBB News