ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

写真拡大

今季終了後にオプトアウトの権利を持つが、メジャー4年目で最も苦しいシーズン

 レギュラーシーズンは残すところ2か月。ウエーバー手続きを経ないトレード期限が7月31日に過ぎ、トレード市場の盛り上がりも落ち着きを見せた。優勝を狙うチーム、来季以降の立て直しを目指すチーム、ここからはそれぞれ目的により戦略が大きく変わってくるが、そろそろ現実的な問題として頻繁に話題に上がってくるのが今季終了後のフリーエージェント(FA)市場の話だ。

 米野球専門サイト「MLBトレードルーモアズ」では、「株が下がったFAになり得る12人の先発投手」という特集記事を掲載。その中には、今季終了後にオプトアウト(契約破棄)の権利を持つヤンキース田中将大投手について「一発病と失点問題は、明らかに望ましくない時に現れた」とし、FAになった場合は今までよりも株が下がるであろうと予測している。

 田中の場合、今季終了後にオプトアウトしなければ、来季以降も2020年まで6700万ドル(約74億2100万円)の契約が保証されることになっている。開幕前は契約をオプトアウトして、来季以降新たな契約を結び直すであろうと予想されていた。だが、今季は開幕当初から状態が安定せず。ここまで22試合に先発し、8勝10敗、防御率4.93という成績で、メジャー4年目で最も苦しいシーズンを送っている。

 記事によれば、全飛球に対する被本塁打の割合は、昨季の12パーセントから今季は22パーセントに急上昇。打球がインプレーになった時の被打率は、昨季の.270から今季は.311に上がっている。だが、四球1つに対する奪三振数の割合を示すK/BBは4.96でメジャー8位と健闘し、「球速は問題なさそうだ」とも評価した。

 不安定な部分がある一方で、6月下旬以降は本来の姿を取り戻しつつある右腕について、「タナカの株が実際どのくらい大きく下がったかは不明」としながらも、「28才の一発病と失点問題は、明らかに望ましくない時に現れた」と苦言を呈した。

 今季終了後、田中はオプトアウトの権利を行使するのか、あるいはそのままヤンキースの一員として契約を全うするのか。その決断に大きな注目が集まりそうだ。(Full-Count編集部)