「もっとバカバカしいことに使われていい」という堀江貴文氏

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 堀江貴文氏(44歳)の創業した宇宙ベンチャー「インターステラテクロノジズ」が7月末、小型ロケット「MOMO」(全長約10メートル、重さ約1150キロ)の打ち上げを実施。しかし、直後にロケットからの通信が途絶えたため、エンジンが緊急停止され、宇宙空間(高度100キロ以上)には達しなかった。

 この結果について堀江氏は「打ち上げ自体は成功だが、宇宙に到達できなかったので目標は達成できなかった」とする一方、「目標の半分は達成できた。やることはたくさんあるが、次か、その次くらいには宇宙に行ける。より大型のロケットも近い将来打ち上げたい」と、早くも前向きな姿勢をのぞかせた。

 今回の小型ロケットは2014年から開発が始まり、エンジンの燃焼試験を100回以上繰り返してきた。打ち上げ後4分で高度100キロに到達する計画だったが、66秒後に飛行データが正常に取得できなくなり、エンジンを緊急停止。機体は高度約20キロまで上昇したとみられる。

 堀江氏のロケット開発コンセプトは「世界最低性能」。堀江氏はその意味について、こう語る。

「人類が初めて宇宙に行ったのは50年以上も前なのに、いまだに普通の人が宇宙に行けていない。理由はお金がもの凄くかかるから。私たちは必要以上の性能を求めない代わりに、コストを大幅に抑え、使い捨てのロケットの量産化を目指す」(堀江氏。以下「」内同)

 従来のロケット開発は国家主導で行われ、1回当たりの打ち上げコストは数億円〜数十億円とも言われる。堀江氏はそれを数千万円程度に抑えたい意向だ。

「開発の主導権が国にあるため、ロケット産業には競争原理が働いていない。競争がないから安くする必要もないし、安くなるはずもない。当たり前のことができていない」

 世界中に広く普及している名車を例に、こうも言う。

「移動手段としてのフェラーリとスーパーカブ。お金があって買えるならフェラーリがいいけど、目的地に辿り着くための手段として考えるならスーパーカブで十分。僕たちの考え方はよくバカにされるけど、現段階では飛びさえすればそれでいい」

 スーパーカブは世界最多量産のオートバイ。だが、仮にロケットの量産化に成功したとしても、スーパーカブのような需要はあるのだろうか。

「僕が考えるだけでもいろいろ需要はある。例えば、“鳥人間コンテスト”みたいに、地球と月の間でレースをしたっていい。高コストすぎるため、ロケットはまだバカバカしいことに使われていない。それがすごく残念」

 最新刊『バカは最強の法則〜まんがでわかる「ウシジマくん×ホリエモン」負けない働き方』の中で、堀江氏は「バカは平気でリスクを取り、失敗を怖れない。いい意味で鈍感。何度でもチャレンジを仕掛けられ、結果的に成功する。バカは最強なのだ」と紹介している。

 ロケット打ち上げ現場には、奇しくも友人のアントニオ猪木氏がかけつけたが、猪木氏も「バカになれ!とことんバカになれ!」と言い続け、北朝鮮やイラクとの「命知らずな外交」を成功させている。「バカは最強」は、ロケット開発の現場においても、成功へのキーワードなのかもしれない。