日常的に車を運転している人なら、一度や二度は眠気に襲われてヒヤッとしたことがあるはず。とくにバス、タクシー、トラックといった事業用自動車を運転している人は、居眠りを防ぐために細心の注意を払っていると思います。

 

疲れてなくても高速道路など単調な運転を長く続けると誰でも眠くなるものですが、そんな一瞬のウトウトが悲惨な事故につながってしまうのはみなさんもよくご存じではないでしょうか。

 

そんな運転中の眠気から覚ましてくれるウェアラブルが、「STEER」。見た目は非常にシンプルですが、これが海外で人気を呼んでいるデバイスなのです。

 

寝落ちしそうになったら起こしてくれる「STEER」

キックスターターで開発資金募集中のこのプロダクト、65万円が目標金額だったのですが、つい先日約400万円以上を集めて無事にキャンペーンを終了しています。

 

小さなポケベルのようなサイズのデバイスを腕に装着することで、心拍数と皮膚の電気反応を検知してくれます。「STEER」には、これらを検知するための高性能なセンサーが16も使われているそうです。

 

スイッチを入れるとユーザーの通常の心拍数と皮膚電気反応を検知し、これを基準にして運転中の眠気を測ってくれます。

 

「STEER」は2秒毎に心拍数と皮膚電気反応を測定し、心拍数が下がり身体が眠りモードに入ろうとしていることを検知すると、強いバイブレーションと黄色いライトでユーザーに「眠くなってますよ!」と通知してくれるというもの。

 

そこからさらに心拍数が下がり、皮膚の電気反応も減少し始めるといよいよ居眠り運転の危険性が出てきます。そうなると「STEER」は微弱な電気ショックでユーザーを起こしてくれます。

 

この刺激によって身体のセラトニン、ノルアドレナリン、コルチゾールレベルが上昇し、睡眠ホルモンであるメラトニンのレベルが減少するという仕組みになっています。これで眠気を抑え、目が覚めた状態に戻れるわけですね。

 

コメント欄にも「これは本当にいいプロジェクトだ!」と興奮の声が集まっています。「運転じゃなくて、退屈で寝てしまう授業のために使いたい」という面白いコメントも。

 

「もう2回も事故にあってるから、運転してて死なないようにと、あとクビにならないようにこれを使うよ」と仕事で運転をしていると思われるユーザーからも期待が集まっているようです。

 

そんな「STEER」はひとつ約13000円、日本への発送料は約1300円です。発送は今年の11月を予定しているとのこと。これで命が助かるかと思うと安いものですよね。

 

よそ見運転をしないでiPhoneの確認ができる「CarOS®」

事故の原因になるのは居眠りだけではありません。近年問題になっているのが、スマホをいじりながらのよそ見運転が原因の事故です。いまや音楽にナビ、ラジオ、交通情報と運転中に必要なものもすべてスマホが引き継いでしまっているだけに余計に難しい問題です。

 

AppleがiPhoneと連携できるダッシュボード「CarPlay」を開発したのも、そういった背景があるのでしょう。大きなアイコンを配したiPhoneシステムをカーナビの位置に備え付けてしまうことで、運転に集中できるわけです。

 

運転をしながらiPhoneと同じように操作できるシステムで、ナビや音楽だけじゃなく通話やメッセージなども統合されている便利さで人気をジワジワと高めつつあります。

 

去年から一気に普及し始めた「CarPlay」、今では大手車メーカーで搭載しているモデルがないものはありません。そんな「CarPlay」を手持ちの車に、手持ちのiPhoneを使って導入できると謳うのが、Kickstarterでキャンペーン展開中のアプリ「CarOS®」です。

 

運転中もよそ見をせずに簡単に操作ができるようになっている、大きなアイコン。スピーカーの音量やスクリーンの明るさなどをパッと調節できるスマートなステータスバー。

 

そして運転中はご覧の通り、地図、速度、などを同時に表示するドライビングモードも。WAZEが提供する交通情報のアラートも読み上げてくれます。

 

ダッシュボード上にホルダーを使ってマウントするだけで、自分の車に「CarPlay」のような便利さが導入できるのはありがたいですね。

 

もちろん、iPhoneなのでダッシュボードカメラとしても使えます。緊急時にはエマージェンシー用のスクリーンがすぐに起動でき、自分の位置情報が表示され、その地域の緊急通報番号にワンクリックで電話することができます。この画面、大きな衝突で揺れた時にも起動するとのこと。

 

1年間のサブスクリプションが約1800円で購入できます。アプリの完成は、今年の10月を予定しているようです。「このプロダクト、絶対需要があるよ。ベータ版を楽しみにしてる!」とのコメントが書き込まれています。

 

自動運転の車がいつ実現するのか注目が集まっていますが、まだしばらくはこういうデバイスたちを活用して安全快適なドライブを実現したいですね。