2017-0806
インターネットの高速回線化と動画再生技術の飛躍的な進歩、スマートフォンの普及浸透に伴い、かつて双方向性のテレビ電話的なものとして未来技術の一つに挙げられた、機動力が高く利用者が自在に操作できる、利用ハードルの低い動画視聴エンターテインメントが、スマホと動画配信・共有サイトによって現実のものとなりつつある。それに伴い、保護者が環境を提供することにより、幼少時の子供たちも動画を楽しむ機会が増えている。今回は総務省情報通信政策研究所が2017年7月7日に発表した「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」などの調査結果をもとに、その実情を確認していくことにする(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。
調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次以降に示すのは、調査対象母集団の回答者のうち、自分の子供が居て、しかもその子供が2歳から12歳である人に限った調査結果。該当する子供が複数居る場合は、一番年上の子供について答えてもらっている。あくまでも保護者の目から見た動向で、子供の利用実態とは多少のずれが生じている可能性はある。

まず最初に示すのは、該当する子供がネット動画を観ているか否か。頻度や機種などは一切問われておらず、「観ているか否か」との問いから判断できる状態を示している。

↑ ネット動画を観ているか(2-12歳対象、保護者回答、複数時該当者存在時には一番年上に対して、択一回答)
↑ ネット動画を観ているか(2-12歳対象、保護者回答、複数時該当者存在時には一番年上に対して、択一回答)

観ている人は75.8%。ゼロ歳から1歳児はともかく、2歳児以上のうち3/4強が観ているとの認識。1歳単位での詳細動向が知りたいところだが、今調査では非公開となっている(し、1歳区切りでは回答者数が少なく、ぶれが多いために統計的には有意なものとは言えなくなってしまう)。

今件調査項目は都合2年分しか行われていないため、経年変化を見出すのはまだ難しいが、少なくとも前年と比べれば動画を観ている子供の割合は確実に増加している。

動画、映像を視聴できるツールとしては、ネット動画を観れる端末以外に、テレビによるテレビ番組が代表的。そこで、ネット動画を観ている子供に限定し、テレビとネット動画とどちらをよく観ているかを確認したのが次のグラフ。テレビ番組が多いとする意見は5割強。

↑ 普段は「テレビ受信機で観るテレビ番組」と「ネット動画」のどちらを長く視聴しているか(2-12歳対象、保護者回答、複数時該当者存在時には一番年上に対して、択一回答、該当者がネット動画を観ている人限定)
↑ 普段は「テレビ受信機で観るテレビ番組」と「ネット動画」のどちらを長く視聴しているか(2-12歳対象、保護者回答、複数時該当者存在時には一番年上に対して、択一回答、該当者がネット動画を観ている人限定)

ネット動画を観る子供においても、テレビ番組はまだ優勢。ネット動画を多く観る子供は3割足らずでしかない。ネット動画を観る子供自身は75.8%なので、該当する年齢階層の子供全体のうち、75.8%×29.1%=22.1%、2割強は、ネット動画を中心に映像・動画を楽しんでいる計算になる。

前年からの変化では「双方同じぐらい」の値動きも合わせ、テレビ番組からインターネット動画へのシフトが見受けられる。

最後に冒頭でも言及した、ネット動画を観る際の利用端末。複数種類を利用している可能性は多分にあるが、どの機種を一番多く使っているかを答えてもらっている。

↑ 普段はどの危機で一番よくネット動画を視聴しているか(2-12歳対象、保護者回答、複数時該当者存在時には一番年上に対して、択一回答、該当者がネット動画を観ている人限定)
↑ 普段はどの危機で一番よくネット動画を視聴しているか(2-12歳対象、保護者回答、複数時該当者存在時には一番年上に対して、択一回答、該当者がネット動画を観ている人限定)

やはりスマートフォンを多用している人が一番多く、47.0%。次いでパソコンではなく、タブレット型端末が31.9%と続く。子守アイテム替わりとして子供に貸し与えるのには、パソコンではなくスマートフォンやタブレット型端末の方が都合はよいのだろう。

前年からの変化としては、パソコンが大きく増え、タブレット型端末とスマートフォンが増加。特にタブレット型端末の増え方が著しい。子供に与えるインターネット端末として、小学生の低学年から中学年ぐらいまでは、タブレット型端末の方が多いとの話もいくつかの調査結果で出ているが、その傾向を思わせる値動きではある。



今調査項目部分は前回の2015年分調査から新たに導入された項目で、経年変化などの動向は計2年分しか確認ができない。見方を変えれば急速に変化するインターネット界隈の中で、子供による動画視聴に関して、世間が大いに注目していることの表れでもある。

昨今では幼少時向けの動画の配信も増えている。同時に、保護者にとって視聴してほしくない類の動画を子供が観てしまい、色々と不安や心配に駆られるとの話も多々見聞きする。過去には無かった環境における子育ての一様式であるだけに、今後の動向が大いに気になるところだ。