最終ラウンド 松山英樹

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 ブリヂストン招待最終日(6日、米オハイオ州アクロン、ファイアストーンGC=7400ヤード、パー70)首位に2打差の4位から出た世界ランキング3位の松山英樹(25)=LEXUS=が1イーグル、7バーディー、ボギーなしの大会記録に並ぶ61で回り、通算16アンダーで優勝した。今季3勝目、米ツアーでは通算5勝目。四大メジャーに次ぐ格付けの世界ゴルフ選手権シリーズ(WGC)を圧巻の逆転劇で制した松山が、10日開幕の今季メジャー最終戦「全米プロ」に臨む。いよいよ、日本男子悲願のメジャー初制覇だ。

 最終18番(パー4)。2メートルのパットを沈めた松山は、小さくガッツポーズした。「61」。2013年のタイガー・ウッズ(米国)らに並ぶ、驚異的な大会記録を最終ラウンド(R)でマーク。2位に5打差をつける、ぶっちぎりの逆転優勝だ。

 「こんなプレーができると思わなかった。このスコアを出すのはなかなかできないと思うので、うれしい」

 米ツアー節目の100戦目で、自身の日本勢最多記録を更新する通算5勝。実は前日の第3R終了後、松山は「この3日間と同じように攻めることができたら、面白くなるのかな」と“予言”していた。

 最終Rの1番(パー4)で、ティーショットを曲げて左ラフに打ち込んだが、パーセーブ。ここからスイッチが入った。「悪い原因が分かった。落ち着いてプレーすることができた」と松山。直後の2番(パー5)でグリーン奥のラフからの第3打は、下り傾斜を利用して19ヤード先のカップに吸い込まれイーグル。その後は、最後の3ホール連続など“神懸かり的”なバーディーラッシュを見せた。

 パー70で7400ヤードもの長い距離、狭いフェアウエー、小さなグリーン。ショットの精密さが試される難コースだった。最終Rのフェアウエーキープ率は50%だったが、パーオン率は4日間を通して最高の88%と正確なアイアンショットが武器になったことは、データ上でも明らかだ。

 米ツアーを経験し、現在シニアツアーで活躍する水巻善典(58)=鳴尾GC=は「ライン出しのショットが振り切らなくても飛ぶ。今大会では、ベルトから下が全く動いていない」。水巻がうなるほどの“安定性”で、松山が猛チャージの予言を現実のものにした。

 昨年10月にスタートした今季、世界選手権シリーズでは同月の「HSBCチャンピオンズ」に続き2勝目となった。同シリーズの同一シーズン2勝はウッズ、ダスティン・ジョンソン(米国)に次いで3人目。この優勝で賞金約1億8260万円を獲得し、今季獲得賞金は約8億5084万円。次戦の「全米プロ」を勝ち、プレーオフシリーズでもポイントを稼いで年間王者となれば20億円超に達する。

 昨季の「全米プロ」は4位で、予選落ちもなく相性は良い。松山は「この素晴らしいコースで勝つことができたのは次につながる」。勢いそのままにメジャー初制覇へ駆け上がる。

青木功・日本ゴルフツアー機構会長「(シーズン)3勝は立派だ。どんどん力をつけ、米ツアーになじんできている。気迫が感じられる。メジャー初優勝は目の前にきていると思う」

松山 英樹(まつやま・ひでき)

 1992(平成4)年2月25日生まれ、25歳。愛媛・松山市出身。4歳でゴルフを始め、高知・明徳義塾高から東北福祉大へ。2011年「マスターズ」27位で日本選手初のローアマ。13年4月にプロ転向。16年「日本オープン」優勝など日本ツアー通算8勝(アマ時代の11年に1勝)、13年賞金王。米ツアーでは通算5勝。1メートル81、90キロ。

世界選手権シリーズ(WGC)

 世界の男子主要ツアー(米、欧州、日本、豪州、南アなど)による国際ゴルフツアー連盟が1999年に創設した。出場選手は世界ランキングなどで決まり、四大メジャーに次ぐ格付け。米、欧州ツアーを兼ね、1シーズン4試合。2000年〜06年までW杯(団体戦)も含まれていた。