花火大会には、花火職人の技を競う競技花火が行われているものがあり「全国花火競技大会・大曲の花火」や「土浦全国花火競技大会」が、有名な競技大会として知られています。他にもいくつか競技花火を行っている花火大会は存在するのですが、関西地域では2015年から開催されている全国花火まほろば競技会が唯一の花火大会となります。「この関西唯一の花火競技会はどのようなものなのか」実際に見てきましたのでレポートします。

第60回記念宇陀市はいばら花火大会・第3回全国花火まほろば競技会

https://haibara-hanabi.com/

場所は、宇陀市榛原下井足・篠楽地内です。

会場へは、近鉄榛原駅から歩いて約10分程度、途中にある宇陀市役所には露店がたくさん並んでいました。



打ち上げ場所は、田んぼの中にあります。



前売り2500円(税込み)のパイプイス席から花火を観覧します。



午後7時30分、花火大会が始まりました。最初のプログラムは「追善供養」ということで、お経が唱えられつつ、花火が打ち上がります。



りんの音「チーン」も入ったりと、約10分間ほどお経が唱えられながらの打ち上げとなりました。



「オープニング」「メッセージ花火」「祝!第60回大会〜感謝の花〜」とプログラムが進行していきます。



プログラム5番「全国花火まほろば競技会」が始まります。最初に、昨年優勝した有限会社伊那火工堀内煙火店(長野県)のスターマインが競技前のエキシビジョンとして打ち上げられると「きれい」「まんまるや」と反応するお客さんも。



このスターマインは、以下のムービーで確認できます。

競技会前に行われた伊那火工堀内煙火店のスターマイン【2017全国花火まほろば競技会】 - YouTube

スターマインが終わると、この大会の打ち上げを担当している脇坂火薬株式会社(奈良県)の花火師による競技花火の説明が行われました。これらの説明は、花火大会の公式ページにも掲載されており、観覧席に居る人も競技花火が楽しめるよう丁寧に解説されています。



さらにこの競技会は、ネット中継もされており、インターネットによる一般の投票でも「まほろば賞」が与えられるなど、現地だけでなくどこからでも参加できる花火大会です。



競技会では、最初にこれから打ち上げられる花火に点数を付ける際の参考として、基準玉というものが打ち上げられます。この競技会では直径約21cm、上空で約250mに広がる7号玉が使われます。大きな花火に歓声が沸きます。



◆この競技会に参加している花火業者一覧

・有限会社伊那火工堀内煙火店(長野県)「イルミネーション芯朧冠菊」

・株式会社齊木煙火本店(山梨県)「虹色のグラデーション」

・有限会社糸井火工(福島県)「昇曲導付幻想万華鏡」

・株式会社生島煙火(大分県)「マーガレットの花束」

・野村花火工業株式会社(茨城県)「光の旋律」

・株式会社臼井煙火(静岡県)「八重咲の花」

・株式会社丸玉屋小勝煙火店(東京都)「夜空の牡丹桜」

・有限会社片貝煙火工業(新潟県)「昇曲導付越後向日葵」

・有限会社紀州煙火(和歌山県)「水色芯錦先緑スパンコール」

・株式会社山内煙火店(山梨県)「夏の雨音」

・アルプス煙火工業株式会社(長野県)「虹玉」

・株式会社小松煙火工業(秋田県)「昇曲付点滅芯錦先彩色乱華」

・信州煙火工業株式会社(長野県)「彩色八方菊点滅花」

・株式会社マルゴー(山梨県)「宵の滴」

・株式会社紅屋青木煙火店(長野県)「神秘な青い向日葵」

・株式会社北日本花火興業(秋田県)「曼珠沙華」

会社名と花火玉の名前そして、どんな花火が上がるかなどの解説がアナウンスされたのち、1発の花火が上がり、30秒の審査の時間を置いて次の会社の花火をという流れで、計16社の花火が打ち上がりました。観覧席の人たちも花火が上がるたびに連れの人と感想を言い合ったりして楽しんでいます。



こちらは、3位にあたる優良賞、株式会社マルゴー 「宵の滴 」です。まずは一斉に光る芯。



芯の光がイルミネーションのような動きを見せます。時間差で徐々に消えていきました。



芯が消え、八方に広がった花火。その先は、キラキラと青く点滅しています。



一瞬すべての光が消えて「終わりか」と思ったところで、光の星たちが再度現れ点滅します。



実際の様子は、以下のムービーで確認することができます。

優良賞 株式会社マルゴー「宵の滴」【2017全国花火まほろば競技会】 - YouTube

こちらは、2位にあたる優秀賞の花火。野村花火工業株式会社の「光の旋律」から、まず、開いた瞬間に芯の一部が光ります。



光が軌跡を描くように、少しずつ光が増えていきます。細かく1粒1粒タイミングがずらしてある繊細な花火です。



芯の次は、外側の星たちが徐々に光り始めます。



最終的には、花の模様のような形の光の軌跡が現れました。



実際の様子は、以下のムービーで確認することができます。

優秀賞 野村花火工業株式会社「光の旋律」【2017全国花火まほろば競技会】 - YouTube

こちらは、最優秀賞株式会社山内煙火店の「夏の雨音」です。和火という日本古来の花火が使われおり、肉眼ではきれいな赤褐色に見えるもので、カメラではうまく色を再現するのが難しい花火です。



消える間際に「パラパラ」と音を立てる花火でした。和火の儚さと、和傘に当たる雨音という情景まで表現した芸術性の高さが評価されたものです。



実際の様子は、以下のムービーで確認できます。

最優秀賞 株式会社山内煙火店「夏の雨音」【2017全国花火まほろば競技会】 - YouTube

入賞作品以外にも、全国トップクラスの花火職人の至高の花火玉たちが上げられました。この競技大会すべての花火をまとめまたものを、以下のムービーで見ることができます。

競技花火で打ち上げられた全作品(作者・作品名付き)【2017全国花火まほろば競技会】 - YouTube

競技大会が終わると、ラスト前の早打ち&スターマイン「輝きの花々」が打ち上がります。点滅するスマイル。



外側のリングの光がグルグルと時間差で動くもの。



5号玉の競技会で見られるような八重芯の5号玉の花火も早打ちのレパートリーの中に入っていたりします。



早打ちの締めは、八重芯の7号玉。



綺麗な白銀の菊の連打で、プログラムは終了します。



実際の様子は、以下のムービーで確認できます。

「輝きの花々」【2017全国花火まほろば競技会】 - YouTube

フィナーレは「黄金のフィナーレ」です。通常の花火大会であれば、このままラストのスターマインが始まるのですが、ここで「花火師さんに向かってスマホの画面を振ってください」とエールの交換を促すアナウンスが流れます。打ち上げ場所の方向に向かって画面を振り始めました。



「花火師さん、みんなの光届いてますでしょうか」と司会者が聞くと、花火師は花火で答えます。芯が3重に見える三重芯の花火が上がりました。



フィナーレのスターマインでは、中間色の鮮やかなトラ(下から吹き上がる花火)も上がります。



扇状に流れるように吹き上がるのと同時に、金色の冠が一斉に開き始めます。



この花火大会最大の7号玉も開き、今日一番の大きな花火でフィナーレの幕が閉じられました。



エールの交換から「黄金のフィナーレ」の様子は、以下のムービーで確認できます。

「黄金のフィナーレ」【2017全国花火まほろば競技会】 - YouTube

この花火大会では、競技大会だけでなく通常のプログラムでも競技大会に参加している花火業者の玉が多く使われており、質の高い花火や珍しい花火を見ることができるので、大変お得で穴場的な花火大会です。これまでは、毎年8月4日に行われていたものが、2017年から8月の第1日曜日になったということで、来年も休日に開催されるとのこと。また、ネットでも視聴・参加できるので、遠くて見に来られない人や混雑が嫌いで花火大会に行く気がしない人も、来年はこの花火大会を見てみてはいかがでしょうか。