【マニラ=吉村英輝】ティラーソン米国務長官は7日、訪問先のマニラで、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)などの場を通じ、北朝鮮への国際包囲網形成を各国に呼びかけた。

 米トランプ政権は、影響力を持つ中国を通じた北朝鮮問題の解決を図ってきた。だが相次ぐ大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、対北圧力で独自対応を強める姿勢を見せている。

 「ミサイル発射をやめることが出発点であり、最も強いシグナルになる」

 AP通信によると、ティラーソン氏は7日、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、さらなる圧力をかける必要性を指摘する一方、北朝鮮側が自制を見せれば、対話に応じる可能性があると記者団に語った。発射中止の期間など詳細な条件は示さなかったが、北朝鮮の外相も参加するARFを前に揺さぶりをかけた形だ。

 また、国連安全保障理事会が北朝鮮による2度の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を受けて採択した新たな制裁決議について「国際社会が容認しないというメッセージだ」と評価した。

 ティラーソン氏は同日の日韓との外相会議で、今は北朝鮮に対して対話ではなく「圧力」をかける時期だとの認識を共有し、連携して北朝鮮への国際圧力を強めていく方針を確認した。

 ASEANは加盟国10カ国全てが北朝鮮と国交がある。外相会議で北朝鮮を非難する特別声明を出すなどしているが、北朝鮮とは距離があるという地政学的な理由もあり、安全保障上の危機感は弱く、経済関係も続く。このため、ティラーソン氏は、日本などとともに、ASEAN各国にも安保理決議の確実な履行を求めていく方針だ。

 ティラーソン氏は7日、フィリピンのドゥテルテ大統領とも会談。トランプ大統領も出席する、11月のASEAN関連首脳会議の議長であるドゥテルテ氏と、関係を強化したいとの思惑がある。ただ、反米感情が強く、中国やロシアに傾斜するドゥテルテ氏の行動もまた“予測不能”で、同盟関係改善の成否は不透明だ。