【マニラ=藤本欣也】中国は一連の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議で、南シナ海の紛争防止に向けた、中国と東南アジア諸国の協議が順調に進んでいることを国際社会にアピールする外交戦を展開した。

 7日のASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合では総仕上げとして、日米を念頭に、南シナ海問題に他国が干渉しないよう強く求める見通しだ。

 中国の王毅外相とティラーソン米国務長官は6日、マニラで会談し、中国側の発表によると、王氏は南シナ海問題について「米国は中国と東南アジア諸国による平和と安定に向けた努力を尊重するよう希望する」と述べ、南シナ海問題で干渉しないよう求めた。

 また、7日のASEANプラス3(日中韓)外相会議の議長声明案でも南シナ海問題に触れ、「領有権争いの当事国でない利害関係国」に対し、軍事的な作戦と活動の拡大を自制するよう求めていた。

 南シナ海において、軍艦による「航行の自由」作戦を継続するトランプ米政権を牽制したものだ。

 6日のASEANとの外相会議で承認された南シナ海の紛争防止に向けた「行動規範」の枠組みでは、同規範について「領有権の紛争や、海洋の領域設定問題を解決する手段ではない」と指摘。同外相会議では、条文作成のための協議を続けていくことも確認した。

 結局、域内の軍事拠点化を進める中国の時間稼ぎが狙いとの見方が強い。ベトナムなどが求めている法的拘束力が条文に盛り込まれる見通しも立っていない。

 「行動規範」の枠組みは公表されていないが、中国外務省当局者はその理由として、(1)協議が継続中である(2)部外者の干渉を受けることを希望しない−と説明、米国などの干渉を警戒する姿勢を強めていた。