高周波カテーテルと衝撃波カテーテルの比較。(画像:東北大学発表資料より)

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 東北大学の研究グループは、頻拍性不整脈の治療法において、衝撃波を用いた全く新しい治療法を開発した。現段階で、動物実験における安全報告がなされている。

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 現在利用されている不整脈の主な治療法(アブレーション治療)は、高周波を利用する。治療効果自体は高いのだが、熱を利用するものなので、種々の副次的作用を避けることができない。

 これに対し、今回開発された衝撃波アブレーション法は、その名の通り衝撃波を利用するものであるため、高周波アブレーション法にみられる熱による問題点を克服した画期的なシステムとして期待されている。

 高周波アブレーション法についてもう少し説明してみよう。これは、熱を発生させる高周波の通電を使用し、高周波カテーテルを用いて、心筋の不整脈の発生源となる部位を焼き切るという方法だ。

 大きな問題点が3つあった。ひとつ、深達度に限界があること。ふたつ、心内膜の損傷を引き起こすため、血栓塞栓症を合併すること。そして、みっつめ、炎症治癒反応の遷延化によって、再発を招くことである。

 問題の根が深いため、高周波アブレーション法そのものを改良するよりも、代替療法を開発するほうが早いと考えられた。そこで考案されたのが、高周波の代替として衝撃波を用いたアブレーション治療、現在の最新のバージョンのものは「改良版衝撃波アブレーション法」と呼ばれているそれである。

 この方法は、前述の3つの問題点を克服している。つまり、従来の高周波アブレーション法よりも深い場所まで効果を深達させることができる(なお、深さの調節も可能となった)。また心臓の内膜を損傷する度合いは高周波の場合よりはるかに低く、炎症が治まるペースも早い。

 なお、研究の詳細は、ヨーロッパ心臓学会の学会誌EP Europace誌の電子版に掲載されている。