あらためるまでもないが少子高齢化の進行で問題視されているのが、労働力(15歳から64歳までで働く意欲・能力のある日本人)不足である。「2014年には約6600万人だった労働力人口は、30年には約5800万人まで減少する」といった類の試算が、不安を日増しに高めている。

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 新生児の誕生状況に明らかな変化が生じない限り、不可避の難問である。カバーする手だてとしては「産業用」ロボットの向上・拡充がハード面では指摘できる。一方ソフト面では、働き方改革による労働力の創造が期待されている。その一つに「クラウドソーシング」がある。クラウド(群衆)とソーシング(業務委託)から生まれた造語だが具体的にはこんな風に捉えればよい。求人側(企業や自治体等)がネット上で仕事内容・報酬等を発信し、(無料)登録済みの人が「これは」と思う情報に対して応募をする。

 いささか旧聞だが6月25日付けの日経電子版が「業界大手5社の登録者数から推計したクラウドワーカー(クラウドソーシングを介し働いている日本人)は16年末で約300万人、総労働人口の5%弱。これが今年末には30%近く増え、業界では20年には1000万人を超えるとしている」と伝えている。ちなみに元祖国アメリカでは同様の枠組みで働くフリーターが、労働人口の35%(約5500万人)に至っているという。

 大手の一角(上場企業)のクラウドワークスで詳細に実態をみると、こんな具合だ。事業は「プラットホーム事業」と「エンタープライズ事業」の2本立て。前者は主に中小企業の発注とクラウドワーカーをマッチングさせ、成約時の手数料収入を得る。後者は大企業と同社が直接契約し発注情報を適宜と思われるクラウドワーカーに提供し、成約時に進行手数料名目の成功報酬を得る。ここ2年余りは地方自治体を照準に発注先の拡充を図っている。

 収益は伸長傾向が明確。言い換えればクラウドソーシングによる働き方を選択する需要が増している。前9月期の売上高12億2800万円に対し今期は、30%増収の売上高16億円を見込んでいる。

 多様な働き方の創造が、労働力不足カバーの一助となる。