今週10日に開かれることになった閉会中審査。民進党が稲田元防衛大臣の出席を求めているのに対し、与党側は拒否。民進党の山井国会対策委員長は「相変わらずこの隠蔽問題の主人公である稲田元大臣を、国会に政府与党が出さないとすれば、結局隠蔽体質は内閣改造をしても全く改まっていない」と、与党側の姿勢を批判した。

 5日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』では、いまだ解決を見ない南スーダンPKO報問題について、自衛隊のイラク派遣にも従事した自民党の佐藤正久・参議院議員(元一等陸佐)に話を聞いた。

 佐藤氏は「現場の隊員を守りたいという動きからそういうことをしてしまったが、今回のことは反省しなければならない。そもそも論として、日報を作成している最中の日々のリアルタイムのものが、本当に情報公開法の行政文書にマッチするのか、という議論も合わせてすべきだと思う」と話す。

 「綱紀の緩みもあるが、テレビ会議や共有システムで情報交換をやっているので、保全という面では今まで以上に気をつけないといけない。今回の日報も、南スーダンの部隊が掲示板に掲載したが、そこにアクセスできる人間は去年の4月段階で4万人いた。隠すということは私の感覚からしても無理。"あるはずだ"と訴えた河野太郎氏と同じ感覚を持った。共有する人も多い。陸自にない、統幕にないということはありえない」(佐藤氏)。

 憲法・安全保障を研究しているコラムニストの吉木誉絵氏は「現場には現場の用語があるが、それが国会では違う概念として受け取られ、誤解されてしまう可能性もある。内容には隊員の命に関わるものもあるかもしれない。総合的に判断して、すぐに開示するような行政文書に当たるのかどうかを考えなければならない」と指摘する。

 佐藤氏も「現場は見た事をそのまま書くので、そこでは数人が銃で撃ち合うのも『戦闘』だし、国の組織と国の組織がぶつかりあうのも『戦闘』という具合に、幅がある。一方、国会やPKO協力法で言われるような『戦闘行為』『戦闘地域』が指すのは国と国がぶつかるような大きなものを指す。この点を大臣がしっかり国会で説明しておけば、ここまで問題は広がらなかったかもしれない」と指摘。

 「PKO活動ならまだいいが、本当に有事が起きてドンパチやっている時も日報は作る。それも今の情報公開法では情報開示の対象ということになっているが、国民の命が守れるか守れないかという作戦の日報が開示の対象になるというのは、おかしいという意見もある。有事の際の情報公開はどうあるべきか、とういうことも、今後議論しなければいけない」と指摘した。

■「情報が外に漏れるようなことがあってはいけない」

 「運用組織である制服組と、政策的見地に立つ背広組がぶつかることはある。防衛大臣はそれをしっかりグリップして、束ねることが求められるので、かなりの経験も必要だし、自衛隊への思いも必要。稲田大臣は国防部会に参加された回数も多くはなかったので、負担も大きかったのではないか」と話す佐藤氏。

 今回、後任として防衛大臣に再登板した小野寺五典氏については「(一度目の)防衛大臣の時は、週末に各部隊を回って激励していた。退任の訓示では感極まって涙を流し、言葉に詰まった。多くの隊員が心を打たれたと思う。当時は野党だったが、出身が気仙沼なので、一生懸命に被災地を回って、国会でも発言していた。自衛隊員からも人気がある」と評価する。司会のみのもんたも「炊き出しを最後まで、明け方になってもやってました、"先生、もうお帰りになったほがいいんじゃないでしょうか"と言った。真面目な人だなと思った」と振り返る。

 一方、ジャーナリストの有本香氏は日報問題の背景に"自衛隊からのリーク"あったとし、「今回、自衛官が覆面でテレビのインタビューを受けるといったことがあった。本来あってはならないことのはず。綱紀粛正が必要な、士気が下がっているようなところがあるような状態はないか。2015年には情報が共産党にわたったというケースもあった。自衛隊内部に、現状への不満があるのではないか」と指摘する。

 これに対し佐藤氏は「当然、組織として情報が外に漏れるようなことがあってはいけない。有事にそんなことがあったら大変だ。反省しないといけないし、対策もとるべきだ。ただ、日報に関しては、稲田大臣を辞めさせたくて情報が出たということではないのではないか」と話す。

 「隊員の中で価値観が多様化していて、人事に対する不満を持っている人や、仕事がうまく行かずストレスを感じている人がいるのは間違いない。平和安全法制の議論の時に、自衛隊トップの統合幕僚長がアメリカ軍高官と話した内容が、国会の場で共産党議員から示された。私も現場にいて唖然とした。これがアメリカだったら、もしかしたら示した議員が処罰されるくらいのことだ。軍と軍が話した内容は機密性が高く、公の場で示すということは普通の感覚ではありえない。そういうことが日本の国会で起こったことはものすごくショックだった」(佐藤氏)

 最後に佐藤氏は「今回の日報の問題で、PKO部隊だけでなく、北朝鮮のミサイルに対応している現場、24時間体制でスクランブル発進している現場からすると、中央はもっとしっかりしてくれよという気持ちではないか」とコメントした。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


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