チュニジア南東部ザジルスの港で、「レイシスト反対!」と大書した横断幕を掲げる漁師ら(2017年8月6日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】チュニジアの沿岸都市ザジルス(Zarzis)の港で6日、北アフリカから欧州へ向かう移民船を妨害しようとする極右の反移民活動家の船の入港を、地元の漁師らが阻止した。港の関係者は「人種差別主義者を寄港させるなどあり得ない」と語っている。

 漁師らが入港を阻んだのは、欧州の過激派グループ「ジェネレーション・アイデンティティー(Generation Identity)」がチャーターした船「C-Star」。移民船の沈没が相次ぎ、多数の犠牲者が出ている地中海(Mediterranean Sea)の海域で調査・救出活動をしているフランスのNGO「SOSメディテラネ(SOS Mediterranee)」の船「アクエリアス号(Aquarius)」を一時的に追跡するなどしていた。

 全長40メートルのC-Starは今月1日にキプロスを出港。5日にはリビア沖を航行し、ザジルスに向かっていた。物資や燃料を調達するためチュニジアに寄港する必要があるが、ザジルスで漁師や人権活動家らの予期せぬ強い抗議に遭い、港に入れなかったもようだ。そのためチュニジア沖を北上して、7日にチュニジアのスファックス(Sfax)もしくはガベス(Gabes)に寄港しようとしている。

 地元漁師団体の幹部はAFPの取材に「やつらが来たら燃料の給油口を閉める。地中海で起こっていることに関して、自分たちができる最低限のことだ」と説明。「イスラム教徒やアフリカ人が死んでいるんだ」と語気を強めた。

 2014年以降に密航業者が手配した船から救助され、イタリアへ移送されたアフリカや中東、南アジア出身の移民らは60万人余りに達し、欧州へ渡る途上に船の沈没などで死亡した人も1万人を超える。こうした状況を受けて、個人や慈善団体の支援を受ける船も加わり、イタリア沿岸警備隊主導の国際的な捜索・救助活動が続けられている。
【翻訳編集】AFPBB News