編集長・田島の高知旅SIDE-B その4
高知県・中土佐のスナックで逢ったレジェンドは、元漁師にして多くの顔を持つ、今もこの町を支えるスゴい人でした。

1週間に渡った編集長・田島の高知旅もいよいよ最後のデスティネーション、中土佐町へやってきました。土佐湾を臨むこの町は、土佐清水とはまた違った趣のある、小さな漁師町。この旅でキャラの濃い人々に会い続けてきた編集長ですが、どうやら最後の最後でスゴい人に逢ったようです……!

中土佐の朝、旅館より土佐湾を臨む。いやあ、いい景色。海は男のロマンですなあ! さて、いつものように町をうろうろしてみますか。

お、ここが久礼大正町市場か。今日取材する〈田中鮮魚店〉さんもここにあるんだよな。さすがに朝早すぎるので、またあとで来てみようかしら。もう少し歩いてみようかな。

こ……これは、青柳裕介先生のマンガ『土佐の一本釣り』ではないですか!「ビッグコミック」にその昔連載されていた、漁師の純平と鰹節工場で働く八千代の不器用な愛の物語。そか、この久礼の町が舞台だったのかあ。

マンガ『土佐の一本釣り』のモデルになった、伝説の漁師に逢いに行く。

夕方、〈田中鮮魚店〉の田中社長の取材も終了。社長に『土佐の一本釣り』ってこの町が舞台だったんですね、と話してみると「そうなんですよ。あ、純平のモデルになったと言われる漁師さんに逢ってみますか?」との返事が。うお、ぜひ逢ってみたいです!というわけで、取材後、急遽そのまま訪ねてみることに。

到着した先は、なんだかかわいらしい一軒家。

ん、ここ、スナックですよね?そうか、いつもここで飲んでらっしゃるんだな。ワクワクする気持ちを抑えつつ、中に入ってみることに。

「いらっしゃい!」

私たちを出迎えてくれたのは、声の大きな、それでいて笑顔のチャーミングなマスター。

田中「田島さん、例のウワサの漁師さん。川島昭代司さんです」

え!スナックのマスターもやってらっしゃるんですか?

川島「船からはもう降りちゃったよ。40年以上前かな。ずっとカツオの一本釣りをやってたんだけどね、左目を怪我しちゃってさ。それからずっと、このスナックをやってるんだよ。まあそんなことはいいんだけど、あんた、お腹すいてんだろ?おいしいものを喰わしてあげるよ」

と言い残し店の奥に引っ込む川島さん。しばらく時間がたったあと運んできたのは、なんと鍋のセット!それもだいぶ本格的な感じ。

うわー、すごい!でもこの魚、見慣れないなあ。いったい何ですか?

川島「ウツボだよ。これからウツボのすき焼きしようと思ってさ」

ウ、ウツボって、あのいかつくて獰猛そうな、ヘビみたいに細長い、あのウツボですよね??

川島「そう。高知では、ウツボがご馳走なんだよ。淡白な白身がしまっていて美味しいんだから。脂の乗りもいいぞ」

ぐつぐつ、ぐつぐつ。それにしても豪快!

うーん、おいしそう!!!

ウツボのすき焼きも煮えてきたところで,カンパーイ!ごちーん★ いやあ、楽しい夜になりそうだなあ…!

壁には『土佐の一本釣り』の原画が。この店が登場してる!ところで川島さんはマンガを読むのは好きなんですか?

川島「まあね、自分自身もマンガ家としてデビューしたことあるからね」

え!漁師でありスナックのマスターであり、マンガ家でもあったんですか!なんて多才なんだこの人は……。

「よし、歌でも歌っちゃおうかな」と上機嫌の川島さんが入れたのは「八千代の詩」という曲。おそらく『土佐の一本釣り』絡みの曲なんだろうな……。と手拍子をする私に向かって田中社長がひとこと。

田中「この曲、川島さんのヒット曲なんですよ。これで『夜のヒットスタジオ』も出たからね」

え!!!いまなんて言いました?自分の曲?「夜ヒット」って!ということは例えば松田聖子の曲をオープニングメドレーで歌ってそのまま聖子ちゃんを紹介しちゃったりとかそういうことしたんでしょうかね!もうなんか凄すぎて訳がわからなくなってきました……。

漁師でスナックマスターで歌手でマンガ家だった川島さんが、いま何よりも力を入れていること。

55年前、中学卒業と同時にカツオ一本釣り漁師となり、28歳で〈SNACKロンドナア〉を開業。33歳で歌手として「夜のヒットスタジオ」に出演、39歳でマンガ家としてビックコミックにその作品が掲載。誰もが羨む才能を持ち合わせた男、川島さんは2007年、60歳の時に「企画・ど久礼もん企業組合」を立ち上げる。代表理事として活躍、久礼の特産品を活かした商品開発などで2013年には地域づくり総務大臣表彰をされるまでになった。「漁師のラー油」「しょうがの恋」「カラヤン」など、話題となった商品も数多い。そしてそのパワーは、70歳になり、代表理事を後進に譲った現在も全く衰えないのだ。

「僕はね、久礼の町が大好きなんです。大正町市場も観光客がとても増えたし、ど久礼もんの商品もおかげさまで好調です。あとは、若者がもっとこの町に戻ってきてほしい。そのためにも、久礼の町をもっともっと魅力的にしていきますよ」

たくさんの素敵な人々に出逢えた今回の高知旅。その最後の最後で、とびきりチャーミングな方に出逢うことができました。久礼の牴搬沖瓩燭舛鮃せにしようと奮闘する川島さんの活躍があってこそ、この小さな漁師町はこれからも注目の的で居続けることでしょう。川島さん、また歌いにきますね!

(見てください、この決めポーズ。かっこよすぎる!!!)

問い合わせ先

◎スナック論吐奈唖(ロンドナア)
高知県高岡郡中土佐町久礼6280
TEL 0889-52-4098

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高知県のまとめサイト「高知家の○○」
http://www.kochike.pref.kochi.lg.jp/~top/matome/