画像提供:マイナビニュース

写真拡大

●伝法院通りから六区ブロードウェイへ--日本酒ジェラートでほろ酔い気分

「浅草と言えば雷門。そして仲見世を通り、浅草寺のお参りへ」――それが浅草散策の定番中の定番だ。仲見世は風情があり、楽しい店も多く並んでいる。初めて行くなら絶対に外せない。しかし、最近はとにかく人が多い! 多すぎる!! ということで、あえて仲見世以外で浅草らしさを楽しめる街歩き・食べ歩きをしてみた。

○浅草の周辺には風情ある通りがいっぱい!

浅草を浅草たるものとしているのは、何も浅草寺があるが故だけではない。その周辺の通りという通りで永年をかけて培われてきた風情をもってして、江戸情緒あふれる下町・浅草となっているのである。

このあたりには、名の付いた通りが多い。伝法院通り、浅草六区通り、六区ブロードウェイ、すしや通り、ホッピー通り、奥山おまいりまち、西参道商店街、ひさご通り、言問通りなどである。それぞれに異なった特徴があり、その特徴が名前になっているところもあるため、「これは何通りだろう」と考えながら歩くと面白い。

○見れば見るほど何かが見つかる「伝法院通り」

伝法院通りは浅草寺の南側にあり、仲見世と交差した通りだ。仲見世を歩いていて「あら? 」と気付くとこの通りに入っていた、という人もいるかもしれない。伝法院通りには、オープンな感じの昔めかしい服屋が並ぶ一方、これでもかというほど食べ歩きグルメの店も並んでいる。一風変わったグルメも多い。しかし、ここであまり飛ばしすぎると後が続かなくなるのでご注意を。

何はともあれ、食べ歩き1件目。「おいもやさん」は、芋問屋が開いたという芋菓子屋で、創業明治9(1877)年の老舗だ。「スイートポテト」(250円)や「大学いも」が人気とのこと。スイートポテトは滑らかで香り豊かな逸品となっている。

続いて、「安心や」で目に飛びこんだのは、「餅ドッグ」(300円)と「日本酒ジェラート」(350円)! 餅ドッグはウインナーにお餅を巻きつけて油で揚げ、ピリ辛ソースをかけたもので、もっちりした食感が楽しい。日本酒ジェラートは純米吟醸「三諸杉」が使われているというほろ酔いスイーツだ。

ちょっとオシャレにサクサク食べ歩きたいなら「浅草かりんころん」のかりんとうはいかがだろう。「黒ごまシュガー」「ピリ辛きんぴらごぼう」「江戸っ子海苔」など、一風変わったかりんとうが並んでいる。和紙のアートなパッケージもかわいい。

伝法院通りはたくさんの風鈴の音に包まれている。涼やかな音色を楽しみながら、通りの上やら横やら、時には下やらも見回してほしい。建物の壁に鼠小僧や石川五右衛門がいたり、街灯にも小気味いい文句が書かれたりと、見飽きない。

○「六区ブロードウェイ」で伝統文化を楽しむ!

伝法院通りから浅草六区通りを通過すると六区ブロードウェイへとたどり着く。その名の通り、以前は興行街として栄えた300mほどの通りだ。現在は、映画館など幾つかの劇場は閉鎖されてしまったのだが、落語や漫才、紙切りなどの芸が見られる「浅草演芸ホール」は見ておきたい。

ここは、萩原欣一さんやビートたけしさんを輩出したところで、その外観はドラマ『タイガーアンドドラゴン』(宮藤官九郎脚本)にも登場した。しかし、残念ながら食べ歩きができる店は見当たらなかった。

六区ブロードウェイと並行している「ホッピー通り」は、これまたその名の通り、飲み屋街である。ちなみにホッピーとは麦芽を使用した低アルコール飲料で、焼酎で割って飲むのが一般的である。続いてはこのホッピー通りを歩いてみよう。

●ホッピー通りから言問通りへ--飲んで食べて和スイーツで〆る

○昼飲みなら「ホッピー通り」「奥山おまいりまち」「ひさご通り」へ!

大抵の街にある飲み屋街は、昼は寝静まっているものだが、ここは違う。「昼から飲むのが当たり前! 」と言わんばかりに店が開いているのだ。ほとんどの店は通りにあふれるほどにテーブルとイスを並べている。その勢いに押され、飲まなきゃ"粋でいなせな江戸っ子"とは言えないような気がしてしまったなら、休憩がてら立ち寄ってみるといいだろう。

ホッピー通りはにぎやか三昧な飲み屋街だが、少し静かに外飲みを楽しみたいなら、ホッピー通りと直角に交わった「奥山おまいりまち」の通りへ向かおう。ここは途端に人通りが少なくなっていた。

ホッピー通りをさらに進んだところにある「ひさご通り」にも、外飲みできるお店がいくつかある。このあたりはもう、ほとんど地元住民の日常の場と言えるだろう。お昼からの外飲みを、まるで文化のように普通にできるのは、やはり浅草という土地柄かもしれないという気がした。

○グルメが豊富な"浅草観音裏"「言問通り」

浅草寺の北側に、東西にのびる通りが言問通りだ。これより北は「観音裏」と呼ばれているという。取材日は週末、しかも学生が夏休みに入った頃であるのに、人通りはかなりまばらだった。

ここではまず、「おにぎりがおいしいらしい」と噂される「浅草宿六」に向かったのだが、まだ14時頃というのに売り切れとなっていた。週末だから、ということに関係なく、早くなくなってしまうこともあるとのこと。

しかし、これにめげずに言問通りを進むと、大学いも「千葉屋」にたどり着く。商品ラインナップは実にシンプル。「大学いも」「ふかしいも」「切揚」(通常740円/400g、350円/200gでの注文も可)の3種のみである。

さらにこの通りで見つけたのが、米粉のシフォンケーキ「otaco」である。浅草にもかわいらしい店があるものだ。小麦粉を使わず、国産米粉のみを使用していて、思わぬほどソフトな食感だ。otacoは創業8年目とのことだが「このあたりには老舗が多くて、まだまだです」と話していた。

その"老舗"のひとつとして押さえておきたいのが、甘味処「梅むら」だ。otacoの角を北に入ったところに見つけることができる。ここでのオススメは「豆かんてん」(470円)。豆と寒天を黒蜜で食べるというだけの非常に素朴なスイーツで、漫画『孤独のグルメ』にも登場した。

言問通りを隔てた向かいには「浅草寺病院」がある。建物は新しいものの、エントランスはいかにも浅草な風情だ。その横にある「浅草観音堂裏」の交差点を南に下ると、浅草寺と浅草神社の間を通ることができる。この方角から見る浅草寺は、いかにも穏やかで、正面のにぎやかさをまるで感じない。

浅草には和服をレンタルできる店がいくつかあり、海外からの旅行者も浴衣に下駄を履いて日本らしい観光を楽しんでいた。メインのスポットもいいが、この夏は、ゆったり歩く浅草食べ歩きをしてみてはいかがだろうか。

※価格は全て税込

○筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。