オオゴマダラのさなぎと成虫(加工、撮影・甲斐天海/大紀元)

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 成虫期に色鮮やかな羽をはためかせ、私たちを魅了する蝶は多いですが、サナギの時期に「美しい」と思わせる蝶はごくわずか。羽を広げれば14センチほどにもなる日本最大サイズの蝶オオゴマダラのサナギは、きらきらと黄金に輝くことで知られています。

 鹿児島県奄美大島の中部・龍郷町にオオゴマダラを観察できる施設「ちょうハウス」があります。 鹿児島県の喜界島、沖縄県の与論島以南の南西諸島に生息するオオゴマダラは、白黒模様の羽をふわふわと動かしてゆっくり飛び、その優雅さから「南国の貴婦人」と形容されています。

金色に光るオオゴマダラのさなぎ(wikimedia)

 メタリックな黄金に輝くさなぎ。これは、体液が黄色で、幾層もの膜が光を反射し、ぴかぴか輝いてみえるためだといわれています。抜け殻は薄黄色の透明。

 この「婦人」は、人をあまり恐れない性格で、手を差し伸べると乗り移ってくることもあります。しかし、食にはこだわりがあるようで、「ホウライカガミ」「ホウライイケマ」の葉しか食べません。

 奄美大島ではこの2種は自生しないために、オオゴマダラを同島で自然界に見ることはありません。ハウスを管理する大型小売店「ビック2」運営会社は5年前、沖縄からさなぎを入手し、飼料としてこの2種もハウス内で栽培しています。現在は150頭ほど飼育しているとのこと。

 食のこだわりには訳があります。いずれの葉も毒素(アルカロイド)を含んでいて、幼虫、さなぎ、成虫の期間にもこの毒は体内に残り、外敵から身を守る役割を果たしています。 

 オオゴマダラは通年、繁殖を繰り返します。ハウスの開園期間は4月から10月ごろまで。開演時間は午前10時〜午後5時。入園料は大人200円、小中高校生100円、未就学児は無料。

(文・甲斐天海)