2017-0805
先行記事【主要ソーシャルメディアなどの利用状況の変化をグラフ化してみる】において、総務省情報通信政策研究所が2017年7月7日に発表した「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」などの調査結果をもとに、数年間に渡る主要ソーシャルメディアなどの利用状況を確認した。そこではFacebookやTwitterなどのテキストメインのサービスを対象としたが、同調査では画像や動画を中心にしたソーシャルメディアに関しても、同様に経年による調査が実施されている。そこで今回は動画中心のソーシャルメディアとしてYouTubeとニコニコ動画、そしてVineに関して、取得可能な限りの経年による利用動向を精査していくことにする(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次以降に示すのは、日本で現在主流の動画や画像の共有サイト(ソーシャルメディア)として今調査にて調査対象として採用されているサービスの、取得可能な調査結果をもとにした利用率。この利用率だが、調査の上で「携帯電話及びパソコンのいずれからも利用していない」の回答値を100%から引いて逆算している。厳密にはゲーム機などからのみ利用している人も存在しえるが、各年の報告書でもその計算方法で利用率を計算していることから、今記事でもそれに従う。

なお「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では現時点で今回年も合わせ5年分の調査が行われているが、動画共有サイトに関わる利用率の調査は2014年分から実施されているため、都合3年分の推移を見ることになる。

まずはYouTube。

↑ ソーシャルメディア利用状況(YouTube)
↑ ソーシャルメディア利用状況(YouTube)

10代と40代で不安定な値動きがあるが、それ以外は微少ながらも増加の動きを示している。もっとも増加は全体でも3.6%ポイント。30代まではほぼ上限に達した感はあり、これ以上の上昇は期待し難いが、中堅層以降は今後も伸びる可能性は多分にある。30代までは5人に4人が、40代も4人に3人以上、50代でも過半数がYouTubeを利用しているとの認識にあると表現すると、あらためてその普及率の高さが認識できる。

続いてニコニコ動画。

↑ ソーシャルメディア利用状況(ニコニコ動画)
↑ ソーシャルメディア利用状況(ニコニコ動画)

いくつかの属性で不規則な値動きがあるが、3年間においてはほぼすべての属性で減少傾向にあると見て良い。20代は直近でやや盛り返しの動きがあるが、これも誤差の範囲。むしろ女性がわずかずつではあるが増加の動きにあるのが幸いなところ。ニコニコ動画の利用性向の減退に関しては、競合サービスのYouTubeと比較して、スマートフォン向けアプリの操作性の問題や画質、さらには再生の快適さの観点で差が開き、利用者が距離を置いたのではないかとの指摘もある。実際利用した限りでは、それを否定できないのが残念なところ。

最後にVine。なお先行記事でも説明しているが、Vineは2017年1月17日付で正式サービスを終了し、現在では動画の投稿は不可能。それ以前に投稿された動画の閲覧は可能で、その後はVine Cameraで作成した6.5秒のループ動画をTwitterにて投稿可能となり、実質的にTwitter用の動画アプリとなっている。

↑ ソーシャルメディア利用状況(Vine)
↑ ソーシャルメディア利用状況(Vine)

2015年においてはFacebookやTwitterとの連動性が高いこともあり、それらのソーシャルメディアの伸長と共に大きな躍進をしていた。しかしながら直近2016年ではサービス終了の気配もあってか主要利用者の10代、学生・生徒で大きな減退が見られる。来年以降の今調査では、恐らく調査対象そのものとして取り上げられることも無いだろう。



「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」における動画系共有サイトに関わる利用率動向は以上だが、現時点で最新版に当たる2015年調査・2016年発表分から、画像の共有サイトで日本国内では浸透しつつあるInstagramも対象項目に加わった。当然2年分しか結果は出ていないが、参考値として掲載しておく。

↑ ソーシャルメディア利用状況(Instagram)
↑ ソーシャルメディア利用状況(Instagram)

大よその属性で上昇し、特に若年層・女性の伸びが著しい。Instagramの特性が非常によくわかる結果となっている。来年分以降はVineの代わりにInstagramの精査を本格的に行うことになるのだろう。