「またあの料理が食べたい!」と食欲が刺激されることがあります。過去に食べた味が忘れられず、もう一度味覚を楽しみたいと思うからではないでしょうか。このように味覚は食へのモチベーションを維持するのに欠かせない、五感の一つです。しかし最近では味覚障害により食事を十分に楽しめない人が増えており、特に亜鉛不足から起こる味覚障害が多くなっています。

亜鉛不足から起こる味覚障害

一般に味とは次の4つ、甘味・塩味・酸味・苦味に分類できます。これらの味を感じ取るのは味蕾(みらい)と呼ばれる、味細胞などが集まる器官。舌の表面だけでなく軟口蓋、咽頭にも味蕾が存在し、味を感じることができます。しかし何らかの原因により味覚の低下や、口内に異常な味がしてしまうことがあり、これを味覚障害と言います。視覚や聴覚の異常とは異なり、ちょっとくらい味覚に異常を感じても放置してしまう人が少なくないようです。しかし味覚は食欲を刺激したり、唾液の分泌を促して消化を助けたり、また危険なものを摂取しないように分別するための大事な感覚です。味覚障害を放置し食欲減退を起こすこともあります。味覚障害は治療開始が遅れると、治療にかかる時間も長くなりやすいので、早めに医師に相談することが大切です。

亜鉛の足りていない人が増加中

味覚障害を起こす原因は様々です。病気や薬の副作用として起こるほか、加齢やドライマウス(ドライアイの人はドライマウスにもなりやすい!)が原因となることもあります。そして最近増えているとされる味覚障害の原因に、亜鉛不足があります。亜鉛は人間に欠かせないミネラルの一つであり、体内には2gほどの亜鉛が必要とされています。しかし近年、食生活の変化から亜鉛が不足している人が増えているとのこと。一般に食事からの亜鉛摂取量が減少していることもありますが、ファーストフードや加工食品などに使われる食品添加物が、亜鉛の吸収を妨げていることが問題視されています。

亜鉛は味細胞の新陳代謝に関わり、新しく細胞が作られるのを助ける働きがあります。そのため亜鉛が不足すると新陳代謝が滞り、古い味細胞ばかりになり味覚が落ちてしまうのです。亜鉛不足は味覚障害を起こすだけでなく、皮膚炎や脱毛、胃腸障害、免疫の低下など、いろいろな症状が現れるようになります。

亜鉛吸収を妨げる食品添加物に注意!

現代人は亜鉛が不足気味であると言われています。亜鉛は牡蠣に多く含まれるほか、肉やレバー、卵、乳製品など動物性食品に多く含まれています。体内で吸収されにくい亜鉛は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がります。例えば動物性食品にレモンやゆずをかけて食べると、効率良く亜鉛の補給ができるでしょう。それから亜鉛を摂取するために気をつけたいのは、食品添加物です。亜鉛の吸収を妨げてしまうので、ファーストフードや加工食品の食べすぎには気をつけましょう。味覚障害は歯科や耳鼻咽喉科で診てもらうことができ、味覚専門の外来もあります。味覚障害の疑いがある場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。


writer:Akina