犬が怒る(噛む)ということ

怒る(噛む)犬=悪い犬ではない

犬はむやみやたらに怒る(噛む)生き物ではありません。そこには怒る(噛む)という行動に至るまでの理由がきちんとあります。今までに痛い、苦しい、辛い思いをした。いわゆる虐待を受けていた。性格的なもの。などなど、理由はたくさんあります。
怒る(噛む)犬=悪い犬ではなく、そこに至るまでの経緯をくみ取ってやり、その犬に適した対応をしましょう。

犬がケガをしている

痛いところに触れようとすれば、普段はおとなしい犬でも唸ったり(怒る)噛むことがあります。外傷がなくても鼓腸症などでお腹が痛い場合もあります。また、断尾する犬種では断尾の失敗で尻尾が痛かったりして、怒って噛むことがあります。(余談ですが、断尾はかなり幼いうちに行うので、尻尾を切られて痛かった記憶はないと言われています。その際、尾椎の一つを取ります。これは骨などが成長した時余裕を持たせるためです。)
早急に獣医さんに連れて行って、処置してもらいましょう。痛みが引けば改善するものです。

犬が過去に痛い事をされた

あってはならないことですが、ペットサロンでトリミング中に犬が苦しい思いをしたり、出血するまで爪を切られたり、ケガをさせられることがあります。その後そこに触れようとすると、犬は「また痛い(苦しい、辛い)ことをされる」と思い怒る(噛む)ことがあります。このケースの場合、多いのが肛門腺を絞ろうとして唸られたり、前足を触ろうとして怒られたりすることがあります。特に前足は犬にとって急所のため、爪切りで一回でも出血させられると、怒るようになることがあります。
触れることは痛くない、その作業(爪切りなど)はやられても大丈夫だという再学習を、繰り返し何度も何度も行います。その際、犬がとても暴れたりして手が付けられなくなることもあります。場合によっては再学習のつもりが逆効果になってしまうこともありますので、プロにお願いするようにしましょう。

権勢症候群

人を下に見てしまう

幼いころからの適切な、人間との上下関係を学ばなかった犬は、人間を下に見るようになります。そして人間を下位の者だと学習します。犬は生まれた時から兄弟が順位争いのライバルである、順位社会に生きています。一度順位が確定すると、それを覆すのは非常に大変なことです。
犬が決めた下位の者(人間)が、上位の者(犬)に不用意に触れたりしようとすると、怒ることがあります。犬社会では順位が下であるということだけで、上位の犬に攻撃されたりすることもあるからです。

子犬の頃からのしつけが大事

幼少期からの適切なしつけ、人間にどこを触れられても問題がないということを教えていきます。また、大きくなってからはプロによる専門機関でのトレーニングである程度は改善します。ですが、トレーニング期間を終えて帰ってきた犬に、今まで通り同じように甘やかしては、また元通りになってしまいます。犬は家族の中で最下位であることが幸せで、家族を守らなきゃと神経を使う必要もないので、長生きすると言われています。
幼少期はかわいいですが、すでに順位争いは始まっています。愛情を持って厳しく、犬に順位を持っていかれないようにしましょう。犬は、一度得た権利はなかなか手放しません。犬の幸せは飼い主さんにかかっています。

性格的なもの

ものすごく気の小さい犬もいます。初めて会う人間や、初めての場所でおびえ、自分の身を守ろうとして攻撃的になる犬です。このような犬は、やられる前にやれと言わんばかりに攻撃性が強いことが多いです。
このようなタイプの犬の場合、無理やり触ろうとすると恐怖心をさらにあおってしまいますので、犬が自分から近づいてきてくれるのを待ちましょう。

気の小さい犬に対して接するポイント

大きな声を出したり、大きな動作だとびっくりしてしまうので、静かに接するようにしましょう。犬が近づいてきたら、目を合わせてはいけません。
犬の場合目を合わせて視線をそらさないのは、攻撃行動とも取られるからです。優しい低い声をかけて犬を落ち着かせてあげましょう。匂いをかがせる時は、握りこぶしを作って、手の甲を犬に向けます。こうすることで万一噛まれてもけがはそこまで大きくなることはないからです。
触れるとしたら、いきなり頭だと驚いてしまいますので、胸の辺りを優しく触れるようにしましょう。
性格的なものなので、しつけやトレーニングでの改善は非常に難しいです。

まとめ

触れると怒る(噛む)犬は、犬なりの理由や背景があります。また、そのような犬にしないためにも、幼少時のしつけは非常に重要です。
怒る理由をくみ取ってやり、改善できるものであれば改善してあげましょう。理由が分からなかったり、改善方法が分からない場合、プロにお願いするのも一つの手です。ですが、お願いする場合は、必ずやり方など教えてくれるところにお願いしましょう。