【マニラ=藤本欣也】国連安全保障理事会が北朝鮮の主産品である石炭や鉄鉱石などの輸出を全面禁止する制裁決議案を全会一致で採択したことは、中国にとって外交的勝利を意味する。

 中国が反対してきた石油の禁輸措置の発動を盛り込むことを回避できたほか、独自制裁ではなく、あくまでも国連の枠内で北朝鮮への制裁を追求する姿勢を国際社会で確認した意味は中国にとって大きい。

 中国の王毅外相は訪問先のマニラで6日、記者団に対し、制裁決議について「北朝鮮の核・ミサイル開発を阻むのに有効だ」と意義を強調した上で、「外交的手段で問題の解決を図らなければならない」と強調、武力行使をちらつかせる米国を牽制(けんせい)した。

 中国における対北制裁の基本は、(1)北朝鮮が9割以上を中国に依存する原油・石油製品の禁輸措置は認めない(2)国連安保理の枠外の各国個別の独自制裁に反対する−ことだ。

 (1)は、北朝鮮が混乱に陥って大量の難民が中朝国境に押し寄せるような事態などを避けるためであり、(2)は国連安保理の枠内での対北制裁であれば中国が常任理事国として影響力を行使できるためである。

 今回の対北制裁は、この2つの条件を満たすものだ。中国がロシアと共闘して、「北朝鮮国民の生活を直撃するような制裁には反対する」と強硬に主張、石油禁輸に反対した結果といえる。

 とはいえ、中国としても対北制裁で打てる手が限られてきているのも事実。中国共産党の最高指導部メンバーが大幅に入れ替わる党大会を秋に控え、習近平政権にとっての最優先課題は国内外の「安定維持」だ。北朝鮮の挑発行為が今後も続けば、中国はそれだけ国際社会で苦しい立場に追い込まれることになる。