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■もくじ

どんなクルマ?
ー2.0ℓのF-タイプ 威勢のいい弟?
ー立ちはだかる問題とは? 対象法は?

どんな感じ?
ー2.0ℓ4気筒 肝心なサウンドは?
ー体感として速い? 遅い?
ー興味深い、乗った際の印象

「買い」か?
ー2.0ℓ4気筒のF-タイプ どう見るべきか

■どんなクルマ?

2.0ℓのF-タイプ 威勢のいい弟?

この2.0ℓエンジンを搭載した新たなF-タイプを、ジャガーは「威勢のいい弟」と表現した。長い時間元気な弟と暮らしたひとはわかるかもしれないが、威勢のいい弟なんて、ただ鬱陶しいだけだと思うのだが。

しかしまあ、楽しみでもある。なんてったってこの2.0ℓエンジンは300psを発生させるのだから。

ジャガーの判断をたんなるダウンサイジングと思ったひとも多いはず。たしかにフェラーリだってメルセデス-AMGだってやっていることだ。しかし違う。これまで通りV6やV8も併売される。

4気筒エンジンを6/8気筒のクルマに載せる。この構想はポルシェ718ケイマンでも実行されたものだ。たんなるダウンサイジングではなく、4気筒そのものにも、れっきとした存在意義があるのだろう。

ただし大きな問題がある。

立ちはだかる問題とは? 対象法は?

問題。それは「サウンド」である。

いくつもあるテールパイプが2.0ℓモデルに関してはひとつだけだ。また8速オートマだけで、後輪駆動だけと決まりごとばかりだ。

また、マニュアルはオプション設定があってもおかしくはないが、ジャガーのエンジニアはマニュアルについては発言を控えていた。このモデルはV6のモデルよりも52kg軽いが、軽さよりもマニュアル設定があることのほうがウケるとも思うのだけど。

52kg軽くなった要因はフロント部分にある。以前V6のF-タイプを運転した際に車重の52%が前方にあることを勉強したが、今回ノーズが軽くなったお陰で、より理想的な重量バランスを実現している。

今回テストしたのはクーペだが、コンバーチブルもラインナップされていて、重量は僅か20kg増えるだけである。

18インチのホイールが標準装備で、19インチや20インチのものも選べる。アダプティブダンパーはオプションですら設定がないが、エンジニアは「そんなのなくったって充分ですよ」とウインクしながらつぶやいた。

さて見てみよう。

■どんな感じ?

2.0ℓ4気筒 肝心なサウンドは?

V6やV8に慣れ親しんだわれわれにしてみれば、4気筒のエグゾーストノートは控えめ。ちなみにこのエンジンはレンジローバーにも搭載されている。

もしスポーツカーやGTカーのようなリッチでパワフルなサウンドをご所望とあらば、これは少し期待外れだろうと思う。迫力あるサウンドは、やはりV6かV8なのだ。

4気筒エンジンから発せられるサウンドは、ターボチャージャーのある前方から聞こえてくる。アクティブエグゾーストを解き放ってやると気迫あふれるサウンドが目を覚ます。ラウンドスピーカーによってサウンドが増強されているらしい。

体感として速い? 遅い?

最大トルクは1500rpmで発生し、動力の伝達は全くもって正確。しかし飛ばすには最適なクルマとは言えない。エンジンレスポンスを覆い隠してしまうかのような8速オートマは、このミッションでなければ……と妄想してしまうが、ATでもお似合い。

ジャガーは0-97km加速を5.4秒でやってのけるといっているが、これに関しては疑う余地はないだろう。

同じくらいのタイムならば、ホンダ・シビック・タイプRがいる。しかもシビックのほうが£20,000(290万円)も安い。これではジャガーの立つ瀬はあるだろうか。

しかし、クーペには、デザインやパッケージングなどの知性が詰まっている。平凡なサルーンよりも良い。物質としての満足感は少なからずあるだろう。

興味深い、乗った際の印象

大きなエンジンのF-タイプと比較すれば乗ってすぐノーズの軽さを感じ取れるはずだ。

フロントとリアのスプリングレートは、それぞれ4%と3%柔らかくセッティングされていて、ジャガーのエンジニアは、ほかのF-タイプから学んだことを反映させていると語っていた。

このチューニングはとても良くできていて、路面の状況を忠実に伝えてくるう、飛んだり跳ねたりせず、安全だ。以前少しのフロントヘビーさを感じていたが、今回のモデルでは重量バランスが変わり、俊敏性が増した。

F-タイプの電気式パワステはなめらかかつスムーズ。正確に、かつレスポンスよく反応する。ブレーキングの最中は、釣り竿が振れるくらいの振動でステアリングが振れる。繊細なのだ。

このステアリングも2.0ℓモデル専用のチューニングが施されていて、後輪駆動であるにも関わらず、クルマがトルク伝達を考えて行うためアンダーステアを和らげる効果がある。

優れたセットアップであることは間違いない。

■「買い」か?

2.0ℓ4気筒のF-タイプ どう見るべきか

まず最初に言っておかなければならないのは、今回のテストはスローペースで行われたということ。タイヤを使い果たしていたからだ。そのため早急にもう一度テストを行う必要性がある。

喜ばしいのはF-タイプが俊敏になり手軽になったということ。それでも£49,900(723万円)する。しかし、これほど洗練された、しかも身軽なクルマならば、多くのひとが選ぶはずだとAUTOCARは思う。

弟分は威勢がいいと同時に、兄や姉をよく見ている。ようするに要領がいいのだ。

ジャガーF-タイプ 2.0 i4 R-ダイナミック

■価格 £53,600(776万円) 
■全長×全幅×全高 4482×1923×1311mm 
■最高速度 250km/h 
■0-97km/h加速 5.4秒 
■燃費 13.9km/ℓ 
■CO2排出量 163g/km 
■乾燥重量 1600kg 
■エンジン 直列4気筒1997ccターボガソリン 
■最高出力 300ps/5500rpm 
■最大トルク 40.8kg-m/1500-4500rpm 
■ギアボックス 8速オートマティック