ドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ)のラストは、決まって小林沙也加(松岡茉優)の一言で終わりを迎える。「ウチの夫は仕事ができない。でも、◯◯◯だ」のように、夫である小林司(錦戸亮)の長所は毎週増えていく。第5話の長所は、「愛に溢れた人」。第1話で、お荷物社員として登場した司であったが、週を重ねる毎に、仕事もメキメキと上達。折り返しを迎えた今週では、タイトルとは違った“仕事のできる”印象を受ける。

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 第5話は、司にとっても、彼を取り巻く人間関係が変化したストーリーであった。今週から新たに登場するのが、庶務課の恩田(羽田美智子)。司が新人の頃から、世話になってい人物であり、彼の上司である土方(佐藤隆太)の別居中の妻だ。司が、土方率いるチームに配属になった時、「お荷物社員」という噂から同僚メンバーは不信感の目で、司を見ていた。しかし、恩田には全くそれがない。恩田が、沙也加と出会うシーンがあるが「めっちゃいい子、大好き!」と彼への純粋な思いを伝える。社内の中でも彼女だけは唯一、司の輝きに気づいていたようだ。

 司は、老舗文房具メーカーの万年筆を高齢者向けに展開するプロモーションを土方に任せられる。先に動いていた土方は、やっとの思いで大物演歌歌手のブッキングに成功。しかし、イベントに向けたプレゼンの場で土方の演歌歌手の起用が、先方のイメージにそぐわず、難色を示す形になってしまう。司は、そこで意見を聞かせてほしいと抜擢されたのだ。先方の会長と面識のあった司は、プレゼンの場で土方の案とは真逆とも言える、若者をターゲットにしたプランを提案する。会長は、以前に会った際に心ある行動を取った司を「正直者の君」と指名していた。

 振り返れば、3話のストーリーでも田所(薮宏太)がクライアントに締め切りを偽る一方で、司は本当の締め切りを真摯に伝えた結果、先方に思いが届いたということがあった。もちろん、司のやり方が全ての仕事に対して上手くいく術だとは言い切れない。土方にも、田所にも、自身のモットーがあって、行動しているのが分かる。けれど、司の正直者で、時にはお節介なくらいに人を思いやる心は、土方と恩田の仲も少しづつではあるが修復させるほどに影響を与えている。大事なのは、司を一番に見ている沙也加が言うように「愛に溢れた人」ということ。仕事のやり方はそれぞれ違っても、根底にあるべき大事なポイントを、司は持っているのだ。(渡辺彰浩)