覗けば深い女のトンネルとは? 第35回「“信頼できる友達”の地位を得る男はモテる」

 

「失恋には日にち薬と男薬」という名言があります。

 

これは、西村しのぶさんのマンガ「サード・ガール」に出てくるセリフ。時間が経てば、あるいは新しい男ができれば、失恋なんか忘れちゃうよってことです。時間が解決することってけっこう多いですが、失恋はその代表かもしれません。

 

「サード・ガール」では、男薬は服用する時間も大事だし、できれば質も選びたい、あと飲み過ぎ注意とも言ってます。男薬の飲み過ぎって……!
だがしかし、日にち薬として必要な時間を大いに短縮できるのが、男薬だと思うのです。恋人じゃなくてもいいんです。何でも話せる仲のいい男友達で充分。

 

例えば、安野モヨコさんの「ハッピー・マニア」という作品では、彼と壊滅的にすれ違ったフクちゃんが、元カレを強引に呼び出してホテルに行き、何もしないで寝る、というくだりがあります。自分のワガママを通して付き合ってくれる男性がいるって癒されるんですよね。「しないよ」と言うだけでしなくて済むならなおさら効きます。

 

和久井も大いに男薬を服用してます。男友達のひとりは、メッセして「飲みに行こうよ」って言うと「また男に振られたとか、信用してた人に裏切られたとかですか?」とか余計な予測を立てつつ付き合ってくれます。とってもありがたいです。こういう場合は、あらかじめ「今日は機嫌が悪いからね」って言っておくと、つねったり耳引っ張ったりの多少のワガママは許してくれます。

 

男薬男子たちにお願いしたいのは「話をよく聞くこと」です。“常備薬”の男性は1年以上前に話したこともちゃんと覚えていてくれるので、それだけでうれしいし、近況報告がすごく短くて済みます。そして決して否定せずに共感してくれます。

 

その上で楽しそうに「いま、こんなことやってるんだー」なんて仕事の話をされると、なんだか癒されます。落ちこんでるときに人の恋愛話とか説教とか聞きたくないので、仕事の話がちょうどいい。

 

しかも、「早く帰らなきゃ」とか「明日早くて」なんてつまらないことを言わないで、なんなら朝まで飲みに付き合ってくれます。友達以上、恋愛未満で、話をするのはめちゃくちゃ楽しいし「あれ、もしかして……?」なんてドキドキ感も味わえます。でもエッチはなしです。「ハッピー・マニア」のフクちゃんと同じですね。弱ってるときに面倒くさいことは考えたくないので、ややこしいことはなしです。

 

何でも話せる異性の友達(恋愛対象と同性の友達ってことね)には本当に助けられてます。

 

こういう「信頼できる友達」の地位を得る男性って、やっぱりすごくモテると思うんですよ。和久井から聞かされたつまらない恋愛話も、きっと今後の女性心理の参考にするのでしょう。

 

まあなにが言いたいかというと、多くの男性が男薬になってくれると、世の中みんな幸せなんじゃないかということです。女性は、男薬があると「恋愛でどんなに傷ついても大丈夫」という勇気が出ます。疲れ果ててグッタリした女も元気になります。一方で男性は女性を元気にしたことで自信がつくし、女扱いの勉強にもなる。

 

だから「女にモテる方法」なんて直球よりも、男性には「男薬になる方法」をぜひマスターしてほしいと思います。そんな本が出て大ヒットにならないかしら。