人気スタイリストの入江未悠さんのファッションアドバイス講座、第10回の相談は不動産会社勤務の佐々木幸恵さん(仮名・31歳)から。

「先日、ベージュのパンツを履いて出社したら、女性の先輩から、それ、肌着みたいねと言われてしまいました。シルクジャージーで、ゆるっとしたシルエットのワイドパンツだったから、部屋着のようにみえたのかもしれません。肌着に見せないコツを教えてください」

ベージュは、夏のオフィスコーデのベーシックカラーのひとつです。白よりも安心だし、ほかのどのベーシックカラーよりも明るくて涼しげ。蒸し暑い毎日でも、軽やかにみえるので、上手に取り入れたいですね。さっそく入江未悠さんに聞いてみましょう。

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夏のベージュパンツはサンドベージュから選ぼう

ひとことでベージュと言っても、黄味の強いものや赤味のあるピンクベージュ、限りなく白に近い色まで幅広くあります。

素材が薄く、ほかの季節よりも肌の露出が高くなる夏に、自分の肌色と近い色のベージュを選んでしまうのはリスキーです。
なぜなら、質問者さんのように、下着のように見えてしまうから。なじみが良すぎて、ヌードっぽく見えてしまうこともあるんです。

今の季節にベージュを選ぶなら、グレイがかったベージュ、サンドベージュがおすすめです。

サンドベージュは、名前の通り、ビーチの砂の色。落ち着きのある色なので、大人っぽくもあり、アラサーOLのビジネスベージュにピッタリです。

リネン見え素材のブラウス1万4000円・パンツ1万5000円 (MICA&DEAL 恵比寿本店〈MICA&DEAL〉)、 パンプス1万8000円(Dhyana.〈セベージュ〉)

素材はツヤツヤよりザラザラ

ベージュには、素材選びにもポイントがあります。基本的に夏のアイテムは薄手です。薄手の上に、ツヤツヤだったり、ツルツルしたりしていると、部屋着やパジャマっぽく見えてしまいます。

また、理想の肌質と同じ質感というのは、やはり肌馴染みがよくなります。そのせいで、余計なヌード感を引き出してしまいます。

そこでおすすめなのが、ザラリとした麻のような質感の素材。天然素材でいうとリネンになりますが、リネンはシワになりやすいので、デイリーの通勤スタイルには不向きだと思います。

今は、自宅でも洗濯できる“リネン見え素材”のパンツもたくさん出ています。

上で紹介したセットアップの素材アップ。ボコボコとした織りがあるリネン風のテキスタイル。

ベージュボトムは黒のトップスで締める

ベージュボトムに初めてトライする人は、セットアップが安心です。コーディネートに悩まなくていいし、寝坊したりして急いでいる朝も、爽やかできちんとしたスタイルになるからです。

セットアップのボトムだけを着まわす場合のおすすめは、黒のタイトなリブニットです。

暑い夏に黒は重たくなるので、いつもなら避けていますが、ボトムがベージュの場合は別。コンパクトな黒が、全体を引き締めてくれて、簡単に颯爽としたスタイルがつくれますよ。

リネンライクな素材なら、暑さが残る10月上旬くらいまでと、今買っても長く着られます。
これからベージュを買う人も、ぜひチェックしてみてくださいね。

リブニット9000円(ステュディオス トウキョウ 神南店〈ステュディオス〉)、パンツ1万5000円(MICA&DEAL 恵比寿本店〈MICA&DEAL〉)バッグ/スタイリスト私物

協力/MICA&DEAL 恵比寿本店 ☎03-6455-0927 Dhyana. ☎03-3407-7755 ステュディオス トウキョウ 神南店 ☎03-6712-6851



■賢人のまとめ
夏のベージュのパンツは色選びと質感が勝負。サンドベージュや、シャリ感のあるリネンライクを選ぶのがおすすめです。

■プロフィール

ファッションの賢人 入江未悠

青山大学在学中にスカウトされ、読者モデルとして活躍。
小学館『CanCam』で、 ライター&スタイリストアシスタントとして編集業務に携わり、2003年にスタイリストとして独立。
大人の甘さを引き出すきれいめコーディネートに定評があり、現在は、『STORY』『Oggi』など数々のファッション誌で活躍している。
自身初の単行本『TOKYO LADY STYLE』が好評発売中の他、2013年より、アクセサリーブランド「Myu by phoebe」のデザインも手掛けている。
Official Web Site:http://phoebe.co.jp/cat/myu/