米ニューヨークの国連本部で開かれた安全保障理事会の会合に出席し、北朝鮮制裁決議案の採決で挙手する米国のニッキー・ヘイリー国連大使(前列右)と、英国のマシュー・ライクロフト国連大使(前列左、2017年8月5日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】国連安全保障理事会(UN Security Council)は5日、北朝鮮の石炭や鉄などの輸出を全面的に禁止する米国提案の制裁決議を全会一致で採択した。

 決議は北朝鮮の石炭、鉄、鉄鉱石、鉛、鉛鉱石、海産物の輸出を例外なく禁止する内容。30億ドル(約3300億円)と推定される北朝鮮の年間輸出収入の3分の1を減らす効果があるとされている。

 今年1月にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が就任して以来、北朝鮮に対する大規模な制裁決議が採択されたのは今回が初めて。中国が同盟国である北朝鮮への制裁をする用意があることも示された。

 北朝鮮が先月4日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を実施したことを受けて、米国は新しい北朝鮮制裁について中国と交渉を始めていた。北朝鮮は先月28日にもICBMの発射実験を行った。

 ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)米国連大使は、北朝鮮が弾道ミサイル実験を実施したことにより同国に対する制裁は厳しさを高め「まったく新しい段階」に突入したと述べ、安保理は今回の制裁決議で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長に「警告を与えた」と付け加えた。

 ヘイリー氏は決議採決後に安保理で、「今回の制裁決議は、近年実施されたいかなる国への制裁と比較しても最も厳しいものだ」「この制裁は北朝鮮経済に深く食い込み、北朝鮮指導部は、自国民に与えた欠乏感を自ら味わう結果となるだろう」と述べた。

 外国在住の北朝鮮労働者から母国への送金も北朝鮮政権の収入源になっていることから、決議は北朝鮮が外国に派遣する労働者を増やすことも禁止した。さらに北朝鮮との共同企業体(JV)の新設や、既存の共同事業体への新規投資も禁止し、北朝鮮政権幹部9人と同国の主要外国為替銀行を含む4団体を国連の制裁対象に追加した。

 しかし米国が当初提案し、実現すれば北朝鮮経済に深刻な打撃を与えるとみられていた北朝鮮への原油輸出制限は盛り込まれなかった。

 制裁が完全に実施されれば、ミサイルや核兵器の開発を推進する北朝鮮の経済に対する締め付け効果が期待される。
【翻訳編集】AFPBB News