Lead、パフォーマンスと気迫で伝えた軌跡 全32曲ノンストップで披露した15周年記念ライブ

写真拡大

 まだ全員が20代にして15年というキャリアを誇り、シンクロ感を武器にしたテクニカルなダンスと、それぞれが役者もこなすビジュアル偏差値の高さでも知られるLead。彼らのデビュー15周年を記念したスペシャルライブ『Lead 15th Anniversary Live〜感今導祭〜』が、7月29日・30日に開催された。

(関連:Lead「トーキョーフィーバー」、“音の配分”に感じた匠の技 ヒップホップに傾斜したサウンドを聴く

 ライブのオープニングでは2012年に開催された10周年ライブと同様に、過去のリリース曲のMVをコラージュした映像がスクリーンに映し出される。2012年のシングル「Still」から2013年の「Upturn」の間に、ほんの数秒だが空白の時間が流れた。Leadからはこの時期に、リーダーだった中土居宏宜(以下、宏宜)が卒業。4人体制の第1章から3人体制の第2章への移行はさまざまな意味で転換点でもあった。この日は宏宜のメンバーカラーである赤のサインライトを手にしたLeaders(=Leadファン)も多く、彼を見送ったメンバーがたびたび口にしていた“いつも心に赤色を”という言葉を思い出す。

 このスペシャルライブは、全シングル+アルバムのリード曲32曲をほぼリリース年代順にノンストップでパフォーマンスするという趣向だ。普段のライブは音源をバックに行うことの多い彼らだが、今回は過去のツアーにも参加したDJ HIRORONとキーボード&ドラムを加えたバンドセットで、よりゴージャスに遊び心のあるサウンドで攻めていた。

 3rdシングル曲「FLY AWAY」(2003年)で幕を開けたステージでは、振付の大半をあえてリリース当時のものに戻して披露。メンバーが中学生だったデビュー当時はヒップホップをベースにしたBPMがゆるめの楽曲が多かったのだが、現在の3人のタイトな動きを組み合わせたパフォーマンスには新鮮な感慨があった。ノンストップ進行のためMCらしいMCはないが、古屋敬多(以下、敬多)が時折客席に向かって「覚えてる? 懐かしいね!」などと語りかける。

 リリース当時には精いっぱいの背伸び感が漂っていたファンキーな「Night Deluxe」(2004年)に曲が移ると、ステージはピンクの照明にミラーボールが瞬き、一気にアダルトな空間が広がる。この曲では谷内伸也(以下、伸也)が<今日のキミはSexy>で腰をツイストするような振りを見せて観客が盛り上がるのがお約束だが、ジャジーにアレンジされたバックトラックの中、大人のセクシーさを漂わせる3人を感慨深く眺めていた人も多かったのではないだろうか。

 「Summer Madness」(2006年)からはヤシの木とビーチチェアのセットが登場。毎年夏にリリースやツアーなどを行ってきた、“夏男”グループらしいイメージの楽曲が続いていく。スクリーンにはハワイの風景が映し出され、中でも明るい昼の風景から夕景、夜景へとバックの映像が移り変わる中で歌われた「海」(2007年)はこの日のハイライトの一つだったと思う。勢いのあるラップパートなどでわちゃわちゃとはしゃいだあとに、鍵本輝(以下、輝)の胸に染み入るようなアカペラが入る展開が、非常にドラマティックに映った。

 近年は敬多が宮本亜門演出のミュージカルに出演したり、輝も月9ドラマに出演したほかソロライブを開催するなどそれぞれ様々な場で単独の活動も行っているが、音楽面では例えば伸也はDA PUMPのKIMIとのコラボライブ『2FACE』で、ヒップホップ色の色濃いオリジナル曲に挑戦している。原曲にはないバースを追加しぐっとワイルドに攻めていく「SPEED STAR★」(2010年)などには、そういった“課外活動”の成果も現れているように感じた。

 ステージは「HURRICANE」(2011年)に移っていく。この時期のLeadはMVが制作できないほどの危機的な状況を迎えていたそうだが、パフォーマンスの面では新たな要素を模索している時期でもあった。「Wanna Be With You」(2012年)では、男子新体操のプロ集団・BLUE TOKYOを迎えて難易度の高いアクロバットにも挑戦。ダンスの際の手足を動かす角度を細かくそろえるなど、メンバー全員の動きをシンクロさせることに強くこだわり始めた時期でもあったのだという。ライブ中盤を過ぎたこの辺りから、体力的にはキツいであろうメンバーのダンスのキレが、加速度的に上がっていくようにも感じた。メンバーもどこかで昔を思い出しているのだろうか、この曲での伸びのある敬多の歌声に宏宜が乗り移ったようにも聴こえる部分があり、なんともいえない気分を味わった。

 第1章最後のシングル曲「Still」は、それまでのカラフルな照明を落とし、白一色のシンプルな照明の下でパフォーマンス。明るい雰囲気の曲が多いLead作品の中にあって、暗闇の中でもがくようなイメージが強いこの曲を聴いていると、兄貴分の三浦大知の曲名ではないが、“夜明け前がもっとも暗い”という表現が思い浮かんでしまう。

 第2章の幕開けである「Upturn」以降は、バッハの「G線上のアリア」をサンプリングしたミディアムバラード「My One」(2015年)など、音楽的な挑戦が見られる楽曲が連なる。同じ事務所の仲間にはセルフプロデュースしたシングルが高い評価を得たw-inds.や、やはり自ら作曲作詞や振付までを行う三浦大知がいることも相乗効果を生んでいるのか、よりよいサウンドメイクへのこだわりも感じられる作品が多くなった。この辺りの楽曲からはバンドの演奏との一体感も強く、これまでのライブでは体感したことのないようなゴージャスなグルーヴに身を任せるのみだ。

 本編ラストの曲は、8月23日にリリースされる新曲「Beautiful Day」。明るく視界が開けるようなスケール感を持つこの曲の歌詞は、15年分の気持ちを込めて3人で作詞したもので、“Now or Never”(2012年のアルバムタイトル)といった過去の作品群をイメージさせる言葉も散りばめられている。しっかりと歌を聴かせるテンポ感でありつつも、タイトな振りやフォーメーションチェンジを詰め込んだ抜きの少ないダンスを組み合わせており、その緻密に編まれたパフォーマンスから第2章のLeadの充実ぶりが伝わってきた。

 アンコールでは、デビュー曲「真夏のMagic」(2002年)を、当時のMVと音声を流しつつパフォーマンス。昔の自分たちを見ながらなんとなく照れくさそうな3人だったが、さらにそのあと歴代のツアーダンサーたちが乱入し、15周年にちなんだイチゴのバースデーケーキとLeadersたちのメッセージがびっしりと書き込まれた横断幕を進呈。3人がLeadersやダンサー、スタッフたちに述べた感謝の言葉の中でも「ここにいるみんなをまとめてギュッ! ってしたい」(敬多)というコメントには大いに和まされた。理想と現実のギャップに悩みながらも進もうとするリリックが“今の自分たちにも重なる部分がある”という理由で、最後に2ndシングル曲「Show me the way」(2002年)を、Leadersも巻き込んで大合唱。温かなムードで全32曲のステージは幕を閉じた。

 エンディングでは、このライブでお披露目となった「Beautiful Day」のMVがスクリーンで上映された。鮮やかな自然の中、長く伸びた一本道をふざけ合いながら歩いていく3人の姿に、歌詞の<曲がりくねった道を もうどれだけ来たんだろう…>というフレーズが重なり、明るい映像なのにもかかわらずなぜか涙を誘われてしまう。

 良くも悪くもドラマの多いグループといえるLeadの軌跡を、MCをほぼ介さずにパフォーマンスと気迫で伝えたこのスペシャルライブ。今回のようなライブを通して、自らのキャリアと向き合い、第1章に折り合いをつける“通過儀礼”が彼らにとっては必要なことだったのかもしれない。今現在の彼らが前向きなビジョンを持って活動に取り組んでいる様子もうかがえ、9月からスタートする今年のツアー『Lead Upturn 2017』に向けて、非常に期待感の持てるエンディングとなった。(古知屋ジュン)