働き方改革で注目されるテレワーク 導入割合は9%も、44%が「業務効率が向上した」

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 テレワーク導入には業務効率向上などのメリットがある一方、導入企業はテレワーク社員の時間管理や業務ルールの設定に課題を感じているようだ。

 安倍首相が議長となり、経団連や連合など労使のトップが参加した「働き方改革実現会議」が昨年9月に始まった。会議では働く人の視点に立った働き方改革を目指し、長時間労働の是正や同一労働同一賃金など非正規の待遇改善、高齢者の就業促進、柔軟な働き方などの改革案が話し合われている。

 3月28日には「働き方改革実行計画(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)」がまとめられ、一定の方向性が示された。その中で、ITを活用して場所や時間にとらわれない柔軟な働き方をする「テレワーク」については、子育て・介護と仕事の両立の手段となることから、環境整備に向けた支援の動きが広がっている。

 一方、総務省は平成27年度から、毎年7月の特定の1週間を「総務省テレワークウィーク」と定め、テレワーク機運のさらなる醸成に努めている。今年は7月18日から24日の1週間に多くの職員に積極的なテレワーク利用を促した。

 また、7月24日には政府と東京都、経済界が連携して7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした働き方改革の国民運動を展開した。同日、交通機関が混雑する始業から10時半までの間、一斉テレワークの実施および効果検証が行われた。

 そんな中、エン・ジャパン株式会社は運営する中途採用支援サイト利用企業642社を対象に、テレワークに関するアンケート調査を実施し、その結果を7月14日に発表した。まず、テレワークの導入状況を聞くと「導入している」は9%にとどまった。

 導入企業に具体的な形態を聞くと「自宅利用型テレワーク(在宅勤務)」が80%、顧客先や出張先などITを活用した施設に依存しない「モバイル型テレワーク」と、「サテライトオフィスや共同利用型オフィスでの「施設利用型テレワーク」がそれぞれ47%だった。

 テレワークの導入企業に導入してよかったことを複数回答で聞くと、「業務効率・生産性の向上につながった」(44%)、「通勤困難者が継続して働けるようになった」「多様性のある働き方を選ぶ社員が増えた」(25%)、「従業員満足度の向上・離職率の低下につながった」(22%)などが多かった。導入して難しいと思った点については「テレワーク社員の時間管理」(45%)、「テレワーク時の業務ルールの設定」(42%)、「テレワーク社員とのコミュニケーションロス」(29%)などが多かった。

 導入企業では、テレワークにメリットだけでなくデメリットも感じている。今後一層の普及を目指すためには、解決しなければならない課題も多いようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]