2017年の世界卓球選手権女子シングルスで、48年ぶりの銅メダルを獲得した平野美宇選手(17歳)、デビュー戦以来29連勝を達成し、歴代記録を塗り替えた将棋の藤井聡太棋士(15歳)など、最近、10代で活躍するアスリートや棋士が注目を集めています。若くして活躍する子の多くは、幼い頃からそのジャンルに興味をもち、才能を伸ばしてきたようです。彼らのように、世界で活躍!とまではいかなくても、子どもの才能を伸ばし、一生役立つ力を身につけるにはどんな環境づくりが必要なのでしょうか?幼児期から英才教育を実践していることで知られる、聖徳学園小学校校長の和田知之さんに教わりました。子どもの好奇心を上手に伸ばしてあげることが大切

「子どもの才能を引き出すには、ただ勉強だけさせるのではなく、子どもの好奇心を上手に伸ばしてあげることが大切です。とくに重要なのは、幼少期。好奇心旺盛なこの時期に、好きなことに熱中することで、集中力や創造力が身につきます」と和田さん。世界を舞台に活躍する10代のアスリートたちも、幼少期から適切なトレーニングを積んでいるケースがほとんど。

ただし注意したいのは、「こんなことに興味をもってほしい」と、親がレールを敷いて子どもを導こうとすること。子ども自身が本当に興味をもったことでなければ、好奇心は育ちません。
「親は、子どもが示した“興味の種”を見逃さないこと。鉄道が好きなら電車を一緒に見に行ったり、恐竜が好きなら博物館へ連れて行ったり。好奇心が深まるきっかけをつくり、『好きなもの』との出会いを増やしてあげましょう」子どもの才能を伸ばす3つのポイント

1.とにかく好きな遊びに熱中させる

「この遊びはOK」「この遊びはNG」と親が選別すると、せっかくの好奇心の芽を摘んでしまうことに。どんなことでも、子ども自身が見つけた「好きなこと」を尊重しましょう

たとえば…

「勉強しなさい!」はぐっとこらえて


小学校に入学をすると、授業についていけるかが心配になってつい勉強を押しつけてしまうのが親の性。じつはこれ、かなりNGです。「勉強はイヤイヤすること」という先入観を植えつけてしまいます。小学校低学年までは、子ども自身が興味を示したものに、とことんハマらせて好奇心を育んで。すると自然と勉強にも興味をもちます。2.自分のことは自分でさせる

自分で着替えや食事をしたがったときは、間違ったり、時間がかかったりしても見守って。自分でできたという達成感が得られ、「もっと難しいことに挑戦したい」という意欲が芽生えます。

たとえば…

粘り強く問題に向き合わせる


小学校も高学年になると、勉強の内容も高度になってきます。すぐに答えの出ない問題だからといって、途中で投げ出していては、思考力は身につきません。分からないときにすぐ解答を見てしまうような勉強法はNG。考え抜く習慣をつけることで、一生涯役立つ粘り強さや集中力が身についてきます。3.個人として尊重し自尊心を育む

「自分は親から愛されている」という安心感が、子どもが自分を尊ぶ心を育みます。自尊心があれば、思いどおりにいかないときも落ち込まず、その悔しさをバネに成長できます。

たとえば…

怒るときは人格ではなく「行動」をしかる


叱るときについ感情的になって「どうして●●できないの?」「あなたはいつも●●なんだから」など、子どもの人格を否定する言い方をしていませんか?ネガティブな言葉は、子どもに「自分は大切にされていない」と感じさせるため成長を妨げてしまう恐れが。「時間に遅れちゃったけど、なにがあったの?」と、行動だけを指摘しましょう。ESSE9月号「子どもの才能の育て方&伸ばし方」では、このほかにも子どもの才能を引き出すヒントをたくさん紹介しています。また、史上最年少で卓球ワールドカップ優勝を果たした平野美宇選手のお母さんにも、子育ての秘訣をたっぷりインタビューしてきました!子どもとふれ合う時間が長くなるこの夏休みに、ぜひ役立ててくださいね。

<イラスト/山村真代 取材・文/ESSE編集部>