【ニューヨーク=上塚真由】国連安全保障理事会の北朝鮮に対する制裁強化決議案には石炭の全面禁輸などが盛り込まれ、北朝鮮にとって厳しい内容となった。

 一方で、北朝鮮への石油禁輸は見送られるなど、圧力強化を求める米国と対話を重視する中国との間で激しい駆け引きがあったことがうかがえる。

 決議案の最大の柱は、北朝鮮の主要な外貨獲得源である石炭や鉄、鉄鉱石などの輸出の全面禁止。主な貿易相手国である中国との取引の「抜け穴」をなくす狙いがあり、安保理関係者は「北朝鮮の収入源を遮断できる包括的な措置だ。北朝鮮との貿易に依存する中国の国境付近の経済にも影響する」と指摘する。北朝鮮の崩壊を恐れる中国は、米国が求める石油の供給遮断を容認できないため、それと引き換えに石炭の全面禁輸には応じざるを得なかったとみられる。

 また、制裁交渉で米国は、北朝鮮の海外派遣労働者を問題視している。米国は労働者の収入が核・ミサイル開発に充てられているとして派遣禁止の必要性を訴えたが、北朝鮮労働者の主要な受け入れ国である中国が難色を示したとみられ、決議案では新たな雇用の禁止という「現状維持」に落ち着いた。