タイの首都バンコクで開催されたフルーツ・ベジタブルカービング大会の会場に展示された、カービングを施された果物や野菜(2017年8月4日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】果物に美しい模様を掘るタイのフルーツカービングは宮廷に端を発する文化で、その豊かな伝統は時代を超えて受け継がれてきたが、若者のフルーツカービング離れも進んでおり、この伝統の担い手たちは生き残りを図ろうとしている。

 タイの首都バンコク(Bangkok)で4日、同国で最も重要なフルーツ・ベジタブルカービング大会が開催され、ビートの根からバラを、パパイヤとメロンから山車などを作る参加者の姿が見られた。

 この著名な大会は12日に85歳になるシリキット王妃(Queen Sirikit)に敬意を表して開催されたもの。20チーム以上が参加し、タロイモやメロン、パパイヤなどの果物や野菜にフクロウやゾウ、複雑なタイのデザインなどを彫刻した。

 もっとも、参加者のピヤナット・ティワト(Piyanat Thiwato)さんにとってフルーツカービングとは勝つことだけがすべてではない。「カービングは集中力が必要で、想像力も鍛えられるので、私たちの精神を向上させることもできます。リラックスする方法でもあります」

 その起源を14世紀のスコタイ(Sukhothai)王朝にさかのぼるフルーツカービングは、寺への供物や結婚式の装飾として今でも人気がある。美術専攻の学生は絵画と同じようにフルーツカービングを授業で選択することもできる。しかしこの伝統は失われつつある。

 フルーツカービングの専門家、マニラット・スバスティワット・ナアユタヤ(Manirat Svastiwat na Ayutthaya)さんは、フルーツカービングに興味を持つ若者はあまり多くはなく、美術学校でフルーツカービングを学んでも生計を立てられないと指摘した。
【翻訳編集】AFPBB News