「2年ほど前から民進党のあり方について、私として思うところがあった。安保法制の対応、さらには憲法に対する考え方、自分の中では違和感を持ちつつも、何としても民主党、さらには民進党を立て直したいというこんな思いでやってきた。17年、議員活動を続けてきた中で、もう一度政権交代可能な二大政党制を作りたい。その一翼を担う政党がどこなのかということについて、考えに考えた上で、党を出て新たな政権政党を作ると、この決意で立ち上がりたいというふうに考えている」

 昨日、民進党の細野豪志衆議院議員が離党する意向を表明した。蓮舫代表が辞任を表明、今月末には代表選がスタートするというタイミングでの、突然の宣言だった。

 民進党の中でもひときわ知名度の高い細野氏は、28歳だった2000年の衆院選で初当選し、現在までに6期連続当選している。党の若きエースとして活躍、民主党政権時には総理大臣補佐官、環境大臣などの要職を歴任してきた。党が野党に転落してからも、幹事長、政調会長を務めてきた。2015年には代表選挙に出馬したが、岡田克也氏に敗北。その後、蓮舫代表のもとで代表代行を務めるも、憲法改正に対する姿勢や野党共闘に不満を募らせ、今年の4月に辞任していた。過去には元女子アナとの不倫スキャンダルもあり、"モナ男"と揶揄されたこともあった。


■細野氏の"側近"柚木議員「"失敗は許されませんよ"と言った」

 細野氏が結成したグループ「自誓会」のメンバーは柚木道義衆議院議員は、新人議員時代から細野氏と共に活動、年齢も一歳しか違わないことから、家族ぐるみの付き合いをしてきたという。

 AbemaTV『AbemaPrime』に出演した柚木氏は「奥様もよく存じていて、私の妻や子どもたちも仲良くしている。国会議員というのは仲間といえどプライベートまでは打ち解けづらいが、そんなことを感じさせない懐の深さ、暖かさ、優しさを感じる方」と話す。

 細野氏は会見に先立って、柚木氏ら自誓会メンバーに対し、離党の意思を表明したという。しかし、その場で同志を募ることはしなかったのだという。

 「私からすれば、それが優しさでもありぬるさ。"一緒に行こうぜと"言えば、何人かが同意することもあり得たと思う。しかし、無理強いはできない、いきなり決めろと言われても無理だろうと判断したのだろう」。

 文筆家の古谷経衡氏は、細野氏が2013年に出版した『未来への責任』の「民主党は再び政権の座に復帰する。これは単なる願望ではない。やらなければならないという意志である」という一節を引いて、「ここまで強い意志を持っていて、しかも党内で重要なポストに就いていた細野氏が、なぜこのタイミングで離党するのか」と厳しく批判する。

 同じ民進党の原口議員は、今回の件について「船が沈みそうになるとネズミが一斉に逃げ出すと言います。逃げ出したネズミを集めてもやはりネズミに変わりはありません。虎に化けたりしません。」とTweetしている。「そういう風に言われることは覚悟の上だと思う。何を言われてもしかたがない。ネズミかどうかは、政治は結果なので」と話す柚木氏自身も、細野氏に対し再三にわたって忠告してきたという。

 「厳しい言い方をすれば、細野さんは光の当たるところしか歩んできていないから、堪え性がないなと思う。幹事長を辞めた時も、代表代行を投げ出した時も、そして今回も随分言った。"居場所がないから出る"というが、"居場所は自分で作るものだろう"と。"代表が言うことを聞いてくれないから辞める"、"違うでしょう、あなたがてっぺんになってやるべきでしょう。甘ちゃんみたいなことを言わないでくれ"と。最後までやり抜かない、そういう評価をされても仕方がない歩み方をしている面もあると思うので、"失敗は許されませんよ。受け皿作りを潰した戦犯として刻印されますよ"と。ただ、彼がそれをちゃんと受け止めた上での決断だとするならば、それは私たちが良い悪いを評価する前に、政治は結果なので、今後の結果の中で、まさにその"未来への責任"を果たす受け皿を作っていくのだろう」。

 

 当の柚木氏は、細野氏の判断、また自身の去就について「民進党自体が立ち直っていくことも、大きな意味での受け皿をつくっていく上では不可欠。やっぱり民進党に所属して仕事をしてきたという立場は間違いなくあるので、それはまず民進党の議員という立場を忘れることはない」と話し、現時点では「白紙」と明言を避けた。

 その一方、「細野さんとはどういう形であれ、連携はしていきたいと思っている。それはつまり、将来一緒になることも今後、あり得ると思っている。これまで通り民進党で仕事をしていくにせよ、それは連携が不可欠だと思う」「地元の皆さん、仲間とも色々なやり取りをしていく中で、最終的に次の選挙の時に自分がどういう立場で支援を受けるのか自分で判断したいと思う。比例当選であっても半分は民進党以外の票なので、人間・柚木道義を評価していただいた方の思いもしっかりと受け止めて判断をしてきたいと思う」と述べ、苦悩も滲ませた。

■小池都知事の"側近"若狭氏は離党を歓迎

 自民党を離党して無所属となり、いまは小池都知事が率いる「都民ファーストの会」の国政進出を模索する衆議院議員の若狭勝氏は、細野氏の気持ちは「私自身も新しい国政政党を作ろうとしている。その意味では、二大政党制ということを目指して民進党を離れる、そしてそうした二大政党制、政権交代可能な政党を作りたいという細野先生の考え方自体はよく分かる」と話す。

 その上で「私が民進党だったらこんなことは言えないが、民進党を見限って出ようという思いを抱く人は、政治家として先を読む力、資質がむしろあると思う。細野さんに限らず、このまま代表選を迎えてしまっていいのか、それよりも出ようとい選択をする政治家は優れている」とし、民進党からの離党者を歓迎する姿勢を示した。

 細野氏自身は昨日の会見で、都民ファーストとの連携について「政権交代可能な政党をしっかりと作っていくというのが、私の思いだ。それに賛同していただける方が誰なのかということについては、色んな可能性を探っていきたいと思っている」と述べている。

 細野氏は6月には小池都知事とともに静岡県知事選の応援に駆けつけている。小池都知事も昨日の定例会見で「私が都知事として今ここに立っているのも、若狭さんの後押しがあったから。若狭さんが今後、国会で活躍されて、その舞台を確保したいという思いで今、取り組んでいると思う。私は若狭さんに対しての思いから、様々支援できるところはしていきたいと考えている」と答えている。若狭氏が「私の頭の中には民進党はない」「共産党と協力しあうということはない」とする一方、憲法改正などで細野氏の考えとの共通点についても言及、連携にも前向きな姿勢を示すと、柚木氏も「保守リベラルへのニーズは国民の中にある」と応じていた。

 細野氏の行動は野党再編、次の総選挙での台風の目になるのだろうか。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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