平岩紙さん(兼松康撮影)

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 松尾スズキ作・演出による公演「日本総合悲劇協会」の代表作のひとつ「業音」が15年ぶりに再演される。

 初演時に荻野目慶子(52)が演じた主人公を、当時も出演していた平岩紙(37)が務める。

 元アイドルの演歌歌手、土屋みどり(平岩)は、母の介護をネタに再起を目指すが、ある日、女性を車ではねてしまう…。不幸が不幸を呼び、負の連鎖が奇怪にうねる。

 「私には務まりません、と一度はお断りしました」

 3年以上前、松尾から再演時の主演を打診されたときのことを、こう明かす。人間の業や執念を描いた作品での難役。即答はできなかった。だが、時間の経過とともに「今なら向き合えるかも」と前向きに。自身の演技や経験を振り返り、主人公の考え方や生き方を少しは理解できそう、と考えられるようになった。

 久々の再演を機に「普遍的に上演される作品にしたい」と意気込む。パリ公演も予定されており、「日本との違いはあり、厳しいとも聞くが、海外の人の空気を感じたい」と語る。

 9月3日まで、東京・池袋の東京芸術劇場シアターイースト。大人計画(電)03・3327・4312。名古屋・福岡・大阪・松本公演あり。(兼松康)