ポジティブサプライズだった7月雇用統計、どうなる8月2週目ドル円為替

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 ドル売りのトレンドが続いている中であったが、ここにきてようやくドル買いの材料が示された。7月雇用統計結果だ。1ドル110円を割る時間帯も見られたが、7月雇用統計の好調ぶりに押されてドルは一時期、1ドル111円台まで戻した。週末のポジション調整などで8月1週目は1ドル110円70銭でのクローズとなっている。

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 8月4日21:30(すべて日本時間)に7月雇用統計が発表された。事前予想の+18.0万人を大幅に上回る+20.9万人という結果だ。前月の23.1万人には及ばなかったものの、これで2カ月連続となる20万人台である。雇用情勢の良好さは安定感を増しているといえるだろう。問題視されているのはインフレであるが、気になる平均時給が前年比+2.5%と、事前予想の+2.4%を上回った。前月比でも+0.3%と事前予想どおりである。6月は前月比+0.2%だっただけに賃金の面での改善も見られる。失業率も事前予想どおりの4.3%だった。市場はポジティブサプライズと受け止めてリスクオンとなっている。同時刻に発表された6月貿易収支も-436億ドルと、事前予想の-445億ドル、前回の-464億ドルから赤字額が縮小され改善が見られている。今週はほとんど見つけられなかったドル買いの材料が提示され、7月雇用統計発表前後では1円ほどのドル高となっている。

 ドル買いの材料としてはコーンNEC委員長の発言も影響している。ホワイトハウスは米国企業がその利益を米国本国に戻すことを希望している。そのため、税制改革には本国送還に対するインセンティブを設けることを明言した。企業がリパトリエーション(外国に投資していた企業資産の米国への還流)しやすい仕組みが作られることへの期待感から、ドル買いが進んだという背景もある。

 来週にはインフレ状況を探る手がかりとなる7月生産者物価指数(PPI)と7月消費者物価指数(CPI)が発表となる。年内の追加利上げ観測が高まるような結果となれば、こちらもドル買いの大きな材料だ。ロシアゲート疑惑、地政学リスクなどの不安要素があるものの、その中でドルが上がっていけるかどうか注目である。