ハリウッドの映画から喫煙シーンがなくなってしばらくたつが、世界中のタバコに関する風当たりは強くなる一方だ。

 フランス政府がタバコの段階的な値上げをすると発表した。2020年までに現在の7ユーロ(900円)から10ユーロ(1300円)に値上げするという。

 フランスの喫煙率は30%。タバコが原因による死者が毎年約8万人に及んでいるとされ、規制を強めている。2017年1月にはタバコのパッケージに広告を載せることを禁止した。

 喫煙率を抑制するため世界中で広がるタバコの値上げだが、なんとオーストラリアでは2020年までに現時点の2500円から3550円にまで値上げされる。

 この計画は2016年にオーストラリアの財務長官が発表したのだが、同国の予算書には「喫煙をやめさせるには、タバコの価格を上げることが一番有効である」と書かれていたという。

 オーストラリア政府は、タバコ増税で約5000億円調達できるとしている。

 イギリス『デイリー・メール』紙の取材に対し、シドニー大学のサイモン・チャップマン名誉教授(公衆衛生学)は「オーストラリアは、間違いなく世界で一番タバコが高い国です」と述べている。

 同国の専門家サンチア・アランダ教授によれば、「タバコの値上げによって、32万人の喫煙者がタバコをやめ、4万人の10代の若者の喫煙を抑制することになる。これによって何万人もの人々がガンで死ななくなるだろう」とのことだ。

 フランス、オーストラリアのみならず、タバコ規制の波は、日本も例外ではない。2020年の東京オリンピックを控え、その勢いは加速しそうだ。

 実はIOCは「タバコのないオリンピック」を推奨している。前回の開催地リオデジャネイロや、前々回のロンドンでは、法律で公共施設のみならず飲食店での全面禁煙が進められた。

 厚生労働省は2016年10月、受動喫煙防止に関するたたき台を発表している。公共施設や飲食店では原則禁煙にし、もし違反すれば罰則を適用するという新ルールを提言した。ただし、自民党の「たばこ議員連盟」を中心に反発が強く、議論は止まったままだ。

 ちなみに、安倍首相はこの問題に関し、「船は暗礁に乗り上げておらず、しっかり進んではいるが、船頭さんが何人かいる」とあいまいな回答をしている。議論は秋の臨時国会に引き継がれるが、はたしてどうなるか。