スーパーが苦手な自閉症の少年に店員は…(画像は『Liverpool Echo 2017年7月23日付「Asda staff find adorable way to help autistic schoolboy cope with supermarkets」』のスクリーンショット)

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日々決まったルーティンで生活している自閉症の息子にとって、スーパーへの買い物は苦痛であることを理解していた母親。かつては買い物客が多い時間帯を避けて、朝早くに行くことが多かったという。しかしこのほど、地元スーパーマーケットのスタッフが思わぬ対応をしてくれた。心温まる“カスタマーサービス”を受けた母親が、感謝の気持ちを英メディア『Liverpool Echo』で述べている。

英リバプールのベル・ベールに暮らす3児の母ミッシェル・フィネガンさん(38歳)は、自閉症の息子ディラン・ラッセル君(7歳)を連れて週に一度スーパーを訪れていた。

きっちりルーティン化した生活を好むディラン君にとって、母に連れられてスーパーへ出向くことは苦痛以外の何ものでもない。自閉症のために人が混み合う場所も苦手だ。ディラン君はスーパーにやってくると、ショッピングカートを押しながら食料品を入れたり、おもちゃ売り場に行くことを楽しむが、清算時になると再び苦痛やストレスを感じてしまうそうだ。

ある日、ディラン君はハイトンにあるスーパーチェーン店「ASDA(アズダ)」でミッシェルさんが買い物を清算している時に、不安を抑えようとレジの近くの空の買い物かごを積み重ねて整頓していた。スタッフのギャレス・ヒューズさんがその様子を見ていることに気付いたミッシェルさんは、注意を受けたりしないかと「あんなことしていますが大丈夫ですか? 止めさせた方がいいかしら」と尋ねると、「問題ないですよ」との温かい返事が返ってきたという。その後もギャレスさんが気さくに息子に話しかけてくれる姿を見て、「なんてフレンドリーなの」とミッシェルさんは嬉しくなった。

このことがきっかけとなって、ディラン君とミッシェルさんが来店すると互いに言葉を交わすようになった。ギャレスさんは顔見知りになったディラン君に「他の仕事も手伝ってみる?」と話しかけ、「こちらのレジが空いていますよ」というメッセージが書かれたボードをレジの前でディラン君と一緒に持ち、お客を誘導した。

そしてある日のこと、ギャレスさんはディラン君のために作成した小さなスタッフ用バッジを差し出した。店内では苦痛を感じてしまうことが多かったディラン君が、次第にスーパーに行くことを楽しみにしていると感じたミッシェルさんは、ギャレスさんの業務を超えた温かい心配りに感謝した。

ディラン君はそのバッジをとても気に入り、家族旅行にまで持って行ったそうだ。そして旅行から戻ってくると、いつも行くASDAから「ディラン君のために特別なことを用意したので是非来店してほしい」と電話があった。

7月19日、ミッシェルさんとディラン君がASDAを訪れると、スタッフらはディラン君のために「VIPストアツアー」を行ってくれた。実はこのツアーもギャレスさんが計画したものだったそうだ。ディラン君は店の奥にある厨房で、自分だけのピザを焼いたり、デリバリーの到着を見たり、店の奥にある大型冷凍庫をチェックしたりと普段なかなか知ることのないスーパーの裏側を堪能したようだ。

スタッフらのこうした善意は、ディラン君のスーパー嫌いを少し改善させたようで、ミッシェルさんはこのように話している。

「VIPツアーは素晴らしいものでした。息子はとても楽しんでいたし、私たち家族も感動しました。ギャレスさんの好意には感謝してもしきれません。人に打ち解けるのが苦手な息子が、彼と特別な関係を作り上げているのを見るととても嬉しくなります。今では息子はASDAへ行くことを楽しみにしています。」

この話を聞いたストアマネージャーのイアン・タルボットさんは「ギャレスさんはとても快活で非常に優秀なスタッフです。困っているお客様を見たらとことんヘルプするのが彼のいいところですよ」と語っている。

ディラン君は、ギャレスさんから受けた親切な行為の数々を周りに話すことが止まらないようで、「将来はASDAで働きたい」と口にしているという。

画像は『Liverpool Echo 2017年7月23日付「Asda staff find adorable way to help autistic schoolboy cope with supermarkets」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)